2008年8月15日(金)「しんぶん赤旗」
レバノン・シリア 国交樹立
両国独立以来初めて
【カイロ=松本眞志】レバノンのスレイマン、シリアのアサド両大統領は十三日、シリアの首都ダマスカスで会談し、大使級の外交関係確立で正式に合意しました。一九四〇年代の独立以来六十年以上外交関係がなかった両国の国交樹立となります。
ロイター電によると、アサド大統領のシャーバン顧問は会見で、両大統領が両国外相に大使館設置と国境画定の作業を命じたと語りました。首脳会談では、シリア軍がレバノンに駐留していた時期に拘束したレバノン人の釈放問題も議題になったといわれています。
関係改善のきっかけとなったのは、今年五月のスレイマン大統領の就任です。スレイマン氏は、七月にフランスの首都パリで開催された地中海連合発足会議で、アサド大統領とともにサルコジ仏大統領、カタールのハマド首長と四者協議を行い、シリアとの外交関係確立に合意しました。
国交樹立は、パレスチナ問題とともに中東域内の不安定要因の一つと懸念されてきたレバノン国内の内紛問題を解決し、同国に安定と和平をもたらすことが期待されています。米国のライス国務長官も、今回の国交樹立への歓迎を表明しました。
シリアとレバノンはもともと、同一地域としてフランスの委任統治下にありました。フランスはキリスト教徒が多いレバノン地域をシリアから切り離し、一九四三年に独立させました。シリアは遅れて一九四六年に独立。シリアでは、レバノンを自国領視する「大シリア主義」が長いあいだ指導部内で影響力を持ち、両国間の外交関係樹立の妨げとなってきました。
シリアはまた、一九七六年にレバノン内戦に介入し、アラブ平和維持軍の主力部隊として三万人の軍隊を駐留させ、レバノンの内政に影響力を及ぼしてきました。〇五年のハリリ前首相の暗殺事件をきっかけに反シリア感情が高まるなか、シリア軍は撤退しましたが、イランとともにイスラム教シーア派組織ヒズボラやアマルとの関係を指摘され、レバノン国内の不安定要因といわれてきました。

