2008年8月13日(水)「しんぶん赤旗」
谷本連覇、オール一本
女子63キロ級
体操男子団体 日本は銀
【北京=五輪取材団】北京五輪第五日は十二日、柔道で女子63キロ級の谷本歩実選手が決勝でフランスのリュシ・ドコス選手を内またで下し、五輪連覇を果たしました。谷本選手はアテネに続いて、すべて一本勝ちという快挙でした。男子81キロ級の小野卓志選手は初戦で敗れ、敗者復活戦にも回れませんでした。
レスリングがこの日から始まり、グレコローマンスタイル60キロ級の笹本睦選手は二回戦で敗れました。
体操は男子の団体総合決勝で日本は二位となり、連覇を逃しました。中国はつり輪と平行棒で難度の高い技を決めて日本に差をつけ、二大会ぶりに優勝しました。三位は米国。
競泳の男子二百メートル自由形決勝でマイケル・フェルプス選手(米国)が1分42秒96の世界新記録で優勝。今大会三個目、通算では夏季五輪最多に並ぶ九個目の金メダルを獲得しました。奥村幸大選手は七位。女子百メートル背泳ぎで中村礼子選手は六位、伊藤華英選手は八位。男子百メートル背泳ぎの宮下純一選手も八位でした。
サッカーの女子1次リーグ最終戦でG組の日本はノルウェーを5―1で下し、二大会連続の八強入りを決めました。
野口、ケガで欠場
女子マラソン 出場は土佐・中村のみ
北京五輪女子マラソン代表で五輪連覇を目指していた野口みずき選手が左太もも裏の肉離れなどのため欠場することが十二日、決まりました。
同選手は七月下旬にスイス・サンモリッツで最終調整していましたが臀(でん)部に痛みを訴え、四日に緊急帰国。京都市の病院で検査と治療を受け、出場できるかどうかを検討していました。
補欠に予定していた森本友選手もけがで療養中のため、日本は土佐礼子選手と中村友梨香選手の二人で女子マラソンに臨みます。
北京発 鼓動
魅せた これが柔道
あきらめかけた道でした。
昨年、慢性化していた腰痛が悪化。一時は立ち上がることさえできませんでした。なえる気持ちを支えたのは、大好きな柔道をもう一度したい、ぞくぞくするようなたたかいの場に戻りたい、との強い思いでした。
アテネにつづく、オール一本勝ち。「内容にこだわる」という、谷本の信念を体現する試合ぶりで五輪連覇を果たしました。
最大のライバル、ドコスとの決勝戦。相手の技を返しながら放った内または、抜群の切れ味でした。満員の会場に大歓声が響きわたりました。
アテネ後は相手に研究され、一本をとれずに悩んだときもありました。周りからも、ポイントをとる柔道をすすめられました。しかし彼女には伝えたいものがありました。
「国境をこえて見るものを魅了する柔道をしたい。わたしの柔道をみて、子どもたちに柔道の魅力や楽しさ、感動を伝えたい」
谷本自身も、先輩たちの一本をとる姿にあこがれ、柔道を始めました。ひとつひとつの技をきわめ、相手を投げ飛ばす―。それは、日本柔道の真髄です。
畳にあがれる喜び、ひとりの柔道家として貫いてきたこだわり。その二つが重なりあっての快挙達成でした。
「心に残る選手になりたい」。北京の地で晴れやかな笑顔の表彰台。いつも胸に秘め、追い求めてきた目標を手にした瞬間でした。(代田幸弘)

