2008年8月11日(月)「しんぶん赤旗」

統一協会の霊感商法

こんどは「五輪塔」

全国弁連、注意呼びかけ


 統一協会(世界基督教統一神霊協会)の霊感商法に、「五輪塔」が登場しました。違法な資金集めに次々出てくる新たな手口。被害救済に当たる人たちが注意を呼びかけています。


 正確には「五輪八宝塔」。従来からある五輪塔と、仏教の「八正道」などにちなんだ八角形の塔とを組み合わせた「諸宗教に通ずる内容を持つ、新世紀の五輪塔」(内部説明書)というふれこみです。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の渡辺博弁護士によると、統一協会はこれを、十二万円から百二十万円で信者に買わせ、売らせています。

 霊感商法とは、先祖霊などの因縁(たたり)で脅して、救われるためという口実で物を買わせたり献金させたりするもの。裁判では、最高裁を含めて違法判決が相次いでいます。

 初期には「多宝塔」が主力商品でしたが、霊感商法への社会的批判の中で次第に姿を消し、数年前からは「天運石」という三百数十万円の大理石のつぼが登場していました。

 天運石を家に置くと、外出時に身についた悪霊がこの石に閉じ込められる。この石を韓国の聖地とされる清平に持参し、お払いを受ければ石は再び清浄になる…というのが信者に対する教え。

 これに対し新登場の五輪八宝塔は、善霊を蓄えてくれるとして、天運石とセットで販売。「目先を変えただけの悪質な資金集め」と渡辺氏は指摘します。

 全国弁連や消費者センターに持ち込まれた霊感商法の被害相談は昨年だけで千二百五十二件、四十億八千万円。そのうち仏像、塔、つぼなどは約八十件、二億八千万円に達しています(第一位は「献金・浄財」の二十二億円)。


 五輪塔 平安期半ばに登場し、墓石にも使用。台石の上に球状やかさ状の石を重ね、物質の構成要素の地、水、火、風、空を示し、輪は徳を具備するとされています。細木数子氏らも「墓相鑑定」で五輪塔を「吉相墓」として推奨してきました。


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