2008年8月11日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPress

平和 私が発信

原水爆禁止08世界大会

大阪市西淀川区 青年ツアー


 被爆地、広島と長崎で開かれた原水爆禁止2008年世界大会(2―9日)には、多くの青年が参加しました。大阪市西淀川区の青年たちも平和青年ツアーを組んで、世界大会・広島(4―6日)で学び、交流しました。その熱い思いを聞きました。(野村説)


 世界大会は5年ぶり2度目の参加という辰巳孝太郎さん(31)「世界大会に参加して、世論の力で『核兵器はなくせる』と確信をもつことができた。知識と行動は一つ。自分が広島で感じた熱気を持ち帰り、地元の人たちに伝え、知識を行動に生かしたい」

 世界大会初参加の森垣あやかさん(24)と澤田みなみさん(21)は、ともに保育士です。

 あやかさん「分科会(5日)『青年のひろば』で戦争体験を聞きました。ある女性は『戦争で男たちは兵隊にとられ、人手不足を補うため、13歳の私は広島電鉄で車掌をさせられていた』と話していました。戦争は思春期を犠牲にして、若者から夢を奪います。保育士の立場から子どもの将来や平和を守ってあげたいです」

 みなみさん「世界大会に参加するまでは、真剣に平和について考えていなかった。知識を得て、次は私が伝える番になりたい」

 医療ソーシャルワーカーの仕事をしている竹内洋蔵さん(30)「去年に引き続き2回目の参加です。原爆資料館で、当時の被災したボロボロの服や人の写真などを見ました。衝撃的だったけど過去の事実から目をそらさず、勇気をもって目を向けることが大切だと思った。この貴重なメッセージを後世に伝えたい」

 医療事務の仕事をしている廣川昂彦さん(22)「戦争は恐ろしいと誰もが言うけど、なぜ恐ろしいのか、どれほど恐ろしいのかが、さまざまな資料や被爆跡にじかに触れて裏付けられた。自分が知ってしまった以上、たくさんの人に発信していきたい」


リアルに感じた戦争

自作のTシャツ持ち参加

 自作のTシャツを手にした3人組は、佐藤紘子さん(22)、佐藤華香さん(22)、松本美穂さん(22)です。

 紘子さん「動く分科会(5日)『原爆遺跡・碑めぐり』に参加しました。韓国の人の碑を見て、原爆の被害者は日本人だけではないことを初めて知りました。戦争を知っている人がどんどん減っているから、語り継ぎ、継承していくことがとても大切だと思いました」

 華香さん「初参加です。学校で少し勉強して以来、平和とか憲法九条とか頭から遠のいていたけど、地元に帰ったら署名活動とか、自分のできることから始めたい」

 美穂さん「私も初参加です。式典で黙とうをした時『この時に原爆が落ちたんだな』とリアルに感じました。テレビで見ていたのとは全然ちがいます」


被爆者の思い引き継ぐ

 今回の平和青年バスツアーには、西淀川区内にある西淀川労働組合総連合(西淀川労連)の組合員も多数参加しています。今年3月から西淀川労連書記となった折原知子さん(26)はバスツアーを中心になって企画しました。折原さんに聞きました。

 今回の企画はみんなに支えられて大成功しました。老人ホームの方々にも協力してもらってつくった10束にも及ぶ千羽鶴を、広島に届けることができました。平和への思いを周りの人たちにもつづってもらった自作のTシャツを着て参加することができました。帰りのバスでお互い世界大会で成長したね、と交流しました。

 私は21歳の時に訪れた沖縄県名護市での新基地反対の座り込みをしたことをきっかけに平和活動に関心をもつようになりました。

 今回、平和青年バスツアーの実行委員会を4人で立ち上げ、26人の参加を募るまで、ビラをつくって手渡したり、民主団体に呼びかけたりしました。

 被爆者の夢はこの世から核兵器をなくすこと。憲法九条を守る署名や2010年のNPT(核不拡散条約)再検討会議に向けた「核兵器のない世界を」の署名に取り組み、被爆者の切なる思いを引き継ぎたい。


お悩みHunter

自分の作品、通用するか不安

  漫画家をめざして仕事の合間にコツコツ描いています。いつか漫画家になることを支えに、毎日仕事に行っています。でも本屋に行って本物の漫画を読むたび、「とても自分の作品では通用しない」と挫折感でいっぱいになります。(28歳、男性)

誰もが通る道。練習あるのみ

  かつて私もチャンピオンを夢見てボクシングジムに入門したころ、プロの選手たちのレベルの高さに、あぜんとしたことを覚えています。

 しかも、あんなにジムで強い選手たちが試合でなかなか勝てないのです。このとき、プロになって1勝をあげることがどんなに大変なことだろうと強く思いました。

 私はプロになってからも何度か敗戦を経験し、挫折感を味わいました。それでもあきらめずに続けて、チャンピオンの座にたどり着くことができました。

 その世界に入って初めて知る山の高さ、そして挫折感。これはあなただけでなく、誰もが通る道ではないでしょうか。

 でも、山の上に行くには一歩一歩進んでいくしかありません。あきらめたらそこで試合終了ですよ。

 私が挫折を乗り越えることができたのは、他人にはない自分の特長を見つけることができたことが大きいと思っています。このとき初めて「自分はできる」と感じることができました。

 でもそうした特長も、日々の飽くなき研究と反復練習によってだけ、気づき伸ばすことができるのだと思います。

 目標達成に近道はありません。ひたすら研究と練習に励んでください。あきらめなければ必ずあなたなりの展望が見えてくるはずです。

 応援しています。


第41代日本ウエルター級チャンピオン 小林 秀一さん

 東京工業大学卒。家業の豆腐屋を継ぎながらボクシングでプロデビュー。99年新人王。03年第41代日本ウエルター級チャンピオン。


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