2008年8月1日(金)「しんぶん赤旗」

社会保障制度拡充へ

医労連大会閉会 運動方針決める

“運動で政府動かした”


 愛知県豊橋市内で開かれていた日本医労連(日本医療労働組合連合会)第五十八回定期大会が七月三十一日、三日間の日程を終え、閉会しました。

 大会では、地域医療確立のための医師・看護師・介護職員の大幅増員、医療・福祉労働者の賃金・労働条件改善、社会保障制度拡充の国民的運動―などを提起した運動方針、大会宣言が全会一致で採決されました。

 日本共産党の塩川鉄也衆院議員が「医療労働者のみなさんの運動が政治を動かしている。みなさんと頑張ります」と来賓あいさつしたほか、新党日本の田中康夫参院議員もあいさつしました。八十九人の国会議員からメッセージが届きました。

 大会で選出された役員は次の通りです。(敬称略、新以外は再任)

 ▽委員長=田中千恵子▽副委員長=佐藤順子、大村淑美、木間裕、奥山邦彦(新)▽書記長=西川活夫


 日本医労連の第58回定期大会では、文書も含めて68人が発言。「私たちの運動が大きな変化をつくりだしている」との確信にあふれた発言に、共感の拍手が起きました。

大会の討論から

行政動かす

 各地で、安心・安全な医療の提供、医師・看護師などの大幅増員のための法改正を求める国会請願署名を中心とした運動を広げてきました。

 「私たちの運動で情勢が変化し、政府・与党を動かしている。いまこそ看護職員確保法の改正を」と発言したのは岡山県医労連の代議員。月一回の定期宣伝のほか、岡山市、倉敷市を除いた地域の四十九病院を訪問して懇談。郵送で署名を届けた百三十二の病院も含めて、反響が広がっています。二十八の自治体のうち二十七で増員を求める決議があげられました。

 奈良県では一万七千を超える署名を県知事に提出。今年度から県の潜在看護師の再就業支援の事業がスタートし、医師・看護師確保対策の部会も設けられています。看護師増員や労働条件・健康問題などで、看護協会や連合加盟組合との懇談もすすめています。

 「労働組合の姿と存在が、社会の変革をつくりだしてきたことを実感している」と発言したのは愛知県医労連の代議員。医師・看護師増員を求め、地域医療を守る組合の姿を新入職員に積極的に訴え、過去最高の組合員数で日本医労連定期大会を迎えました。

介護現場は

 岡山県医労連には、介護労働者から多数の労働相談が寄せられています。「四人部屋に五つのベッドと二組の布団で七人の高齢者を収容、さらに廊下には、はみだしたベッドが並ぶ。人員不足で職員は多忙、残業が月八十九時間」と、ある施設の実態を紹介し、「来年四月の介護報酬見直しへ向け、介護現場崩壊を食い止める全国的運動を広げよう」とよびかけました。

 富山県医労連は、介護改善署名を七百近くの事業所へ送付。返送された二千余の署名を含め、約一万人分の署名を集めています。

賃金改善を

 岐阜県医療・福祉労働組合連合会は、県内八十二の公立・民間病院の看護師基本給や諸手当、一時金を調査して、ランキング表を作成。各組合での賃金や手当アップのたたかいの力になっています。

 ベッド数削減による経営悪化から銀行融資がストップし、定期昇給中止と夏季一時金削減が強行された都内民間病院。労働組合が「生活と雇用、病院を守るために労組に加入してたたかおう」と職員によびかけ、組合員を一・七倍化。医師体制堅持を含めた経営改善策を示し、数年で経営を黒字に転じさせました。

地域で共同

 健保労組の代議員は、政府・与党が社会保険庁廃止に伴い、社会保険病院と厚生年金病院を民間企業への売却を目的とする独立行政法人年金・健康保険福祉整理機構(RFO)に譲渡することを確認したことを批判。「地域医療を守れと結成がすすむ住民と病院職員の会を力に、公的な医療機関として存続させる」と発言しました。



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