2008年7月24日(木)「しんぶん赤旗」

「北」核問題

検証作業加速で一致

6カ国、初の外相会合


 【シンガポール=井上歩】北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の参加国外相は二十三日、当地で非公式会合を行い、早期に第二段階の措置を完全実施する必要があり、核申告の検証を具体化する交渉など、作業を加速していく必要があるとの認識で一致しました。

 六カ国外相の会合は初めてで、二十四日に開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラムに合わせたもの。ライス米国務長官と朴宜春(パクウィチュン)北朝鮮外相も初顔合わせとなりました。

 楊潔篪(ようけつち)中国外相が「意義深い会合で、六カ国の政治的意思を示した」とのべるなど、各国が初の外相級会合開催の意義を強調しました。

 六カ国外相は、六カ国共同の努力で協議が前進していること、協議は非核化、関係国の国交正常化、北東アジアの平和と安定のための環境づくりで土台の役割を果たしていると評価しました。

 そのために、六カ国がそれぞれの義務を履行していく必要があるとの認識で一致。適切な時期に公式の外相会合を開くことでも合意しました。

 十二日に北京で開かれた六カ国協議首席代表会合は検証について、▽核施設への立ち入り調査▽追加文書の提出▽核技術者への面接・聴取―の三原則で合意。その具体化が課題となっています。

日朝外相が接触

 高村正彦外相は六カ国外相会合の終了間際、北朝鮮の朴外相と立ち話をしました。高村外相が「(拉致問題など)諸懸案を解決して日朝関係を進めよう」と日朝協議の早期再開を呼びかけ、朴外相は「同意する」と応じました。高村外相は、環境が整えば経済・エネルギー支援に参加する意向を表明しました。

 ライス米国務長官は会合で、日朝関係改善が重要だと述べました。


 六カ国協議 北朝鮮の核問題を外交的に解決するために、日本、米国、中国、北朝鮮、韓国、ロシアによって二〇〇三年八月に始まった協議体。〇五年九月の共同声明で、朝鮮半島の完全な非核化と米朝・日朝国交正常化、北東アジアの安保協力などで合意。〇七年十月の合意文書で公式外相会合を「適切な時期に北京で」開くとしています。



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