2008年7月15日(火)「しんぶん赤旗」

地中海連合が発足

平和・繁栄を目指す


 【パリ=山田芳進】地中海沿岸と欧州の四十二カ国・一地域の首脳らが十三日、パリで一堂に会し、地中海を平和、民主主義、共同、繁栄の場所にすることを目指す「地中海連合」の発足を正式に確認しました。

 「地中海連合」は、一九九五年に欧州連合(EU)と中東・北アフリカ諸国が、共通の政治課題について対話する機構として発足した「バルセロナ・プロセス」を発展させたものです。エジプトのムバラク大統領と共同議長を務めたフランスのサルコジ大統領は記者会見で、「夢に見ていた地中海連合が現実のものとなった」と会議の成功と「(地中海を挟んだ)南北平等の意思」「具体的な計画のもとに結集するという意思」を評価しました。

 会議では当面の課題として、地中海浄化、域内交通網改善、災害対策、代替エネルギー促進、学術交流、中小企業の援助六項目について合意しました。

 「平和」の課題についてサルコジ大統領は、イスラエルのオルメルト首相やシリアのアサド大統領など「関係する中東諸国のほとんどの首脳が同じテーブルに着いた」ことが大事だと強調しました。

 また事務局の設置国、今後の具体的な計画の進め方、財政拠出のあり方などについては、十一月に開かれる外相会議で協議される予定です。

 会議に参加したイスラエルのオルメルト首相はシリアとの間で再開された間接和平交渉が「近く直接交渉になるだろう」と発言。シリアのアサド大統領もイスラエルとの和平合意調印には「半年から最高で二年かかるだろう」との見通しを明らかにしました。またアサド大統領は隣国レバノンとの関係正常化の意向を表明しました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp