2008年7月10日(木)「しんぶん赤旗」
米MD反対 チエコ揺れる
協定調印も批准めど立たず
チェコの首都プラハで八日、米国の欧州ミサイル防衛(MD)基地計画は「新たな軍拡競争を起こすものだ」と反対を訴えるデモが行われ、数千人の市民がつめかけました。(片岡正明)
これは同日、欧州訪問中のライス米国務長官とチェコのシュバルツェンベルグ外相が同計画のうち、プラハ郊外に建設するレーダー基地に関する協定に調印したことを受けたもの。同計画にはチェコ国内の世論も七割が反対。議会内でも反対の野党が半数を占めており、批准の目途はたっていません。
米国は「イランなどのミサイル脅威に対抗する」として、ポーランドに長距離ミサイル迎撃ミサイル基地、チェコに中東までをカバーするレーダー基地を二〇一二年までに設置しようとしています。
ボンドラ副首相はチェコ・テレビで「われわれの安全保障上の重要な一歩だ」と改めて国民に向けて訴えました。レーダー基地建設には約三十五億ドルが必要とされます。
チェコの国民は一貫して七割近くがレーダー基地建設に反対です。野党が主張するレーダー基地建設の是非を国民投票にかけるという提案には最新の世論調査で73%が支持を表明。六月には十万人が署名した請願書が提出されましたが、政府は実施を拒否しています。
批准投票が行われるチェコ議会内では、賛成の与党と反対の野党はほぼ同数。与党の一角の緑の党は賛成派と反対派に分裂しています。ソボツカ上院議長は「批准投票は年内には行われないだろう」と述べ、十一月に決まる次期米大統領のMD政策を見てから投票が行われるとの見通しを示しました。

