2008年7月10日(木)「しんぶん赤旗」

ビラ配布の自由を守る7・9集会

市田書記局長のあいさつ

(要旨)


 九日に開かれた「あぶない!言論の自由が! ビラ配布の自由を守る7・9集会」での市田忠義書記局長のあいさつ(要旨)は以下の通りです。


写真

(写真)あいさつする市田忠義書記局長=9日、東京都千代田区

 日本共産党を代表して、連帯のあいさつをのべさせていただきます。

 言論の自由をめぐるたたかいは、重要な段階を迎えています。言論弾圧三事件―葛飾ビラ配布弾圧事件、国公法弾圧堀越事件、世田谷国公法弾圧事件の裁判が重要な局面を迎えているからです。

 また、ついこの間、東京都国分寺市で日本共産党の幸野統(こうの・おさむ)市議が、議会報告のビラを集合ポストに配布し、住居侵入だとして書類送検されました。市政の問題点などを知らせるビラの配布を「犯罪視」する、議会制民主主義にとって当たり前の活動と住民の「知る権利」を根本から踏みにじるものであり、絶対に許すことはできません。

事件の重大性

 クレームをつけた住民は、「立川の判決を知っているだろう」といったそうです。立川テント村事件の最高裁有罪判決が、このような形で波及し、権利の制限に及びかねない――ここに、この事件の重大性があります。

 ビラの配布を「犯罪」に仕立てあげようとする、言論の自由と民主主義を破壊する暴挙をなんとしても食い止めようではありませんか。

 今年に入り、日教組教育研究集会に会場を貸していたホテルが、右翼の攻撃をうけて使用拒否する事態がうまれました。映画「靖国」の上映を契約していた映画館側が、上映を取り消すということも起きました。

 日本共産党は言論弾圧三事件の勝利をめざしてたたかい抜くとともに、言論の自由が当たり前に保障されるように、がんばることを表明するものです。

 葛飾ビラ配布弾圧事件は、僧侶の荒川庸生さんが党区議団発行のビラを、開放型マンションのドアポストに投函(とうかん)し、「住居侵入罪」として逮捕、起訴されたものです。

 一審の東京地裁判決は無罪で、社会一般の常識的な考え方からみて、禁じられている行為とはいえないと判断しました。しかし、二審の東京高裁は逆転有罪でした。荒川さんは不当判決を打ち破るために上告し、最高裁でたたかっています。

 堀越事件は、国家公務員の堀越明男さんが休日に一人の市民として「しんぶん赤旗」号外を配布し、「国家公務員法違反」として起訴されたものです。一審の東京地裁判決は、罰金十万円としましたが、罰金の執行を二年間猶予せざるをえませんでした。堀越事件は現在、控訴審の大きなヤマ場を迎えています。

 世田谷事件は、休日に国家公務員の宇治橋眞一さんが、警察官宿舎とは知らずに集合ポストに「しんぶん赤旗」号外を配布して「住居侵入」とされました。国家公務員とわかると、警視庁公安部が乗り出し、東京地検が国公法違反で起訴したものです。

 二つの国公法事件の裁判で、職務に影響をあたえない行為を禁止した国公法第一〇二条と人事院規則は憲法違反であること、表現の自由を保障した国際自由権規約に違反することが浮き彫りにされました。

世論と運動で

 葛飾事件や堀越事件で裁判所は国民の裁判批判をまえに、おそるおそる有罪判決を出しました。国民の世論と運動でさらに大きく包囲していくならば、事態を変えることができます。

 この間、国民の運動で憲法改悪のたくらみを大きく押し返してきました。自衛隊イラク派兵差し止め訴訟の名古屋高裁判決は、イラク派兵は政府の憲法解釈からいっても憲法違反との画期的な判断を示しました。もちろん、自民・民主議員の加わる改憲議員連盟や海外派兵恒久法の動きをみても、改憲派の執念は軽視できません。

 言論弾圧三事件に勝利し、言論表現の自由を守り広げるたたかいは、憲法改悪を許さず、憲法の民主的平和的条項を完全実施させる国民的な運動の一環です。国民的な連帯と共同を広げ、たたかいを大きく前進させていこうではありませんか。


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