2008年6月30日(月)「しんぶん赤旗」

NY原油取引 投機が71%

米議会でも規制議論


 【ワシントン=西村央】原油価格の暴騰の影響が世界各地で広がるなか、ヘッジファンドなどによる実需と関係のない投機マネーを規制すべきだとする議論が米議会でも出ています。

 米議会が設立した独立機関、米国商品先物取引委員会のルッケン委員長代行は、ニューヨーク商品取引所(NYMEX)原油先物取引のなかで投機による取引が占める比率が今年四月に全体の71%に上っていたとし、「先物市場のなかでも適切な規制が必要となっている」と強調しました。

 同委員長代行は二十三日、下院のエネルギー・商業委員会の監視調査小委員会で原油先物取引について報告したなかで明らかにしました。

 それによると、投機集団の取引比率は二〇〇〇年一月は37%でした。その後、〇三年夏ごろまでは30―40%台で推移していましたが、〇三年九月に初めて50%を突破、〇五年には60%台となり、今年四月初めて70%を超えました。

 五月末の上院国家安全保障・政府活動委員会での公聴会では、投機集団であるヘッジファンドの幹部が「投機家が食品やエネルギー価格の上昇に関係しているかと言われれば、答えは無条件でイエスだ」と証言していました。

 投機資金はいま、国民の暮らしに直結する原油市場や、穀物市場に流れ込み、価格上昇の要因となっています。

 米議会では大統領選の民主党候補指名が確実なオバマ上院議員も二十三日、商品先物取引委員会の監督権限の強化を含めた投機規制案を提案。リーバーマン上院議員らも投機集団を標的にした規制法案を提出しています。


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