2008年6月28日(土)「しんぶん赤旗」

原発が再評価されているのですか?


 〈問い〉原発は、二酸化炭素を出さず地球温暖化防止に役立つとして、世界で再評価されていると聞きますが、日本共産党はどう考えていますか。(秋田・一読者)

 〈答え〉火力発電は石油・石炭など化石燃料を燃やすため、地球温暖化の原因である二酸化炭素を大量に排出します。これに対して原子力発電は、化石燃料を使わず、発電時に二酸化炭素を排出しません。このことを理由に、日本政府や電力・原子力業界は、「世界の流れは原発再評価だ」「原発は地球温暖化対策の切り札だ」と宣伝しています。

 しかし、原発には、事故とそれによる環境破壊という重大な危険性があります。チェルノブイリ原発事故(旧ソ連、1986年)では、深刻な放射能汚染が国境を越えて広がりました。原発から出てくる放射性廃棄物も、その処理・処分方法が未確立なため、環境汚染の危険を伴います。原発は技術的に未確立で十分な安全性の保証がないのです。特に日本では、原発の地下に活断層があることが次々と確認され、無謀な立地が厳しく問われています。

 こうした問題を直視すれば、原発推進を地球温暖化対策として正当化することはできません。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告も、実用化されている技術の一つとして原発を例示しつつも、原発には「安全性、核兵器拡散、核廃棄物の問題」があるとクギをさしています。

 欧州では、フランスが原発を重視しており、イギリスが原発新設禁止から新設容認へと転換しましたが、大勢としては、原発に頼らずに温暖化対策をすすめようという確固とした流れがあります。

 ドイツは、原発廃止の社会民主党と原発推進のキリスト教民主同盟との連立政権になってからも、原発の段階的廃止政策を維持しています。ドイツなど欧州8カ国の環境大臣は、昨年10月の共同声明で、原発には安全面でのリスクがあり「(温暖化対策の)有効な選択肢にはならない」と宣言しています。オーストラリアは、原発導入を掲げた政権が昨年の総選挙で敗北し、新政権は原発導入を否定し京都議定書を批准しました。

 地球温暖化対策のためには、エネルギー需要対策と自然エネルギーの大胆な導入こそが必要です。「原発再評価」論が、こうした方向での真剣な努力を回避する口実とされていることも、厳しく批判されるべきです。

 日本共産党は、安全で持続可能なエネルギーと自給率引き上げを重視した政策への根本的な転換をめざしています。(剛)〔2008・6・28(土)〕


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