2008年6月10日(火)「しんぶん赤旗」

主張

7・13全国大集会

原子力空母反対の意思示す場


 アメリカの原子力空母「ジョージ・ワシントン」の横須賀配備に反対する全国大集会が、七月十三日に神奈川県の横須賀市で開催されます。全国労働組合総連合(全労連)や全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)など多くの労組、民主団体で構成する同大集会実行委員会が主催するもので、原子力空母の配備と米軍基地の再編・強化に反対する国民的な意思を示す場として、重要な意義を持ちます。

配備を目前にした集会

 「ジョージ・ワシントン」はことし八月、米軍横須賀基地に配備されようとしており、大集会は文字通り配備を目前にした集会です。

 原子力空母の配備は甚大な被害を国民に与えかねないという点で、米軍基地の強化計画のなかでも、危険が際だったものです。「ジョージ・ワシントン」は原子炉二基を積んでおり、いわば「原発」を首都圏に設置するようなものです。原子力空母の配備は、いったん大災害が起きれば首都圏三千万人の命と安全をおびやかすことになります。

 原子力艦船はこれまでも原子炉事故を起こしており、安全性には多くの疑問と不安が指摘されています。そのうえ軍事機密の壁にはばまれ、日本政府は立ち入り調査も規制もできないままの配備です。横須賀市議会も五月、不安が解消されないままの配備であるとの意見書を可決しています。

 「ジョージ・ワシントン」は先月、横須賀に向かう途中で火災を起こし、現在修理中です。あらためて配備の中止を求める声が高まっているのは当然です。

 原子力空母の配備は、日本をアメリカの先制攻撃戦略の拠点としていっそう強化・恒久化しようとする計画です。米軍基地の再編・強化を取り決めた日米安全保障協議委員会(2+2)の合意でも「空母及び艦載機の長期にわたる前方展開の能力を確保する」ことが重視されています。山口県岩国市への空母艦載機移転の押し付けもこのためであり、横須賀のたたかいと岩国のたたかいは、文字どおり一体です。

 「ジョージ・ワシントン」は、従来の通常型空母と比べ、迅速性と攻撃能力を飛躍的に高めています。実際、アフガンやイラクで多くの市民を殺傷してきた空母です。「ジョージ・ワシントン」が横須賀に配備されれば、同艦を中核とする空母打撃群が、日本を足場に圧倒的な攻撃力で地球規模の侵略戦争に参加することになります。

再編はね返すたたかい

 原子力空母の配備は、決して横須賀だけの問題ではありません。

 いま米軍基地の再編・強化をめぐる全国のたたかいは、大きな正念場を迎えています。日米両政府は、自治体にカネと脅しで圧力を加え、再編・強化を押し付けようとしてきました。しかし、保守層を含む広範な住民の頑強なたたかいで、計画は思惑通りすすんでいません。米軍再編協議の中心人物ローレス前米国防副次官は「再編実施のためのロードマップで確認した同盟変革(再編)の実施が漂流している」と嘆き、「一つのパーツが凍結すれば、全体が凍結してしまう」と語っています。

 原子力空母配備に反対するたたかいは米軍再編に反対し、「戦争する国づくり」を許さない全国のたたかいと結びついています。「7・13全国大集会」を大きく成功させ、日米両政府の攻撃をはねかえすたたかいの新たな出発点にしましょう。日本共産党は、集会の成功へ、先頭にたってたたかう決意です。



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