2008年6月6日(金)「しんぶん赤旗」

原爆症認定

判決 重く受け止める

原告団要請に厚労相


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(写真)原爆症認定集団訴訟の全面解決を求めて舛添厚労相(奥)と面談する原告ら=5日、厚労省

 舛添要一厚生労働相は五日、同省内で、原爆症認定集団訴訟の原告らと面談しました。舛添厚労相は「仙台、大阪(高裁)の二つの判決は非常に重く受けとめている」とのべ、原爆症の認定基準について「政府全体としての対応を来週にも決めたい」と表明しました。同相と原告との面談は一月以来二度目です。

 面談で原告側は、国は仙台、大阪両高裁判決に従い上告を断念する、原告三百五人全員を原爆症と認定し、新基準を改定する―を要望し、認定制度の抜本改定を求める署名二十万人分を渡しました。

 舛添厚労相は、「新たな基準をつくり直すか、総合的判断をするか、どの方策が一番、みなさんの利益になるかという観点を入れ検討したい。司法判断と行政の乖離(かいり)を埋める作業に早急にとりかかりたい。(被爆者に)時間がないことを念頭におきながら対応する」と表明しました。

 訴訟解決については「係争中のものを含め、全体についてどうするのかということも必要だ」としました。福田康夫首相と原告との面談要望は「総理にきちんと伝えたい」と約束。「なるべく早い時期に朗報を届けられるようにがんばりたい」と語り、原告らと握手しました。

 面談では、原告の木村民子さん(71)=大阪市=と西本治子さん(70)=東京都三鷹市=が被爆体験を語り、「被爆者の気持ちをわかって」「原告全員を一日も早く認定してほしい」と訴えました。

 面談後、原告・弁護団が記者会見し、同訴訟全国弁護団連絡会の宮原哲朗事務局長は「全面解決に向けた大きな一歩」と評価しました。


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