2008年6月3日(火)「しんぶん赤旗」

搾乳のたび赤字

エサ急騰打開へ共に

「生産する会」と紙参院議員が懇談


 輸入飼料の高騰が続き酪農・畜産が経営危機に陥っている問題で、「安全安心な国産牛乳を生産する会」の代表が二日、日本共産党の紙智子参議院議員(農林水産委員)を訪ね、生産者乳価一キロ三十円までの引き上げなどの緊急対策をめぐり懇談しました。


 同会は、千葉県の酪農家や獣医師がよびかけ、酪農危機打開のネットワークを全国的につくっています。五月二十日には約三百人が日比谷野外音楽堂に集まり交流、銀座周辺を「酪農一揆」のムシロ旗を掲げてパレードをして注目されました。

 一行は、一年以上続く飼料価格の高騰が酪農経営に深刻な打撃となっており、今年度の生産者乳価の三円引き上げについてはエサ高による経費増を吸収できないと訴えました。

 百五十頭の搾乳をしているという千葉県山武市の男性(55)は、昨年の生乳一キロあたり経費は百八円だったのに手取り乳価は九十円程度だったと紹介し「生乳を搾るたびに赤字だ」と訴えました。乳牛メーカーとの乳価交渉の際に大きなポイントとなる農水省の酪農経営調査は、エサ急騰の実態があらわれない二年前の古いものだとのべました。

 紙参院議員は、新鮮な牛乳の安定供給に国は責任をもたなければならないと話し、最近の酪農の経営実態も明らかにして国会質問でも取り上げていくと応じました。



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