2008年5月31日(土)「しんぶん赤旗」

学費ゼロネツト東京 立つ


 学費の負担軽減、国家予算の増額を求める個人加盟のネットワーク「学費ZERO(ゼロ)ネット東京」が三十日、結成されました。学費ゼロネット東京は都学連(東京都学生自治会連合)が中心になって都内の学生に呼びかけており、会員は十大学四十五人(三十日現在)です。

 記者会見で、都学連の委員長が「すべての学生にとって学費問題が切実であり、学生の実態を社会に訴え、行動をしていく学生のネットワークとして立ち上げた」と結成の趣旨をのべました。

 ゼロネット東京では学費実態調査を行っており、第一次集計結果(三百四十六人、二十六大学)が報告されました。「学費を下げてほしい」と答えた学生は94%で、学費のために食費を削っている実態も明らかになりました。

 参加した学生からは高学費に苦しむ実態が訴えられました。中央大学の四年生は「母子家庭で奨学金を借りているが、借金したまま社会に出るのが不安」と話しました。東京農工大学の学生は大学の寮が予算減で立て替えられずなくなりそうだとのべ、「寮が学生の命綱になっている。国は予算を増やしてほしい」と訴えました。

 ゼロネットは今後も学生の実態を社会的にアピールし、実態調査や学費負担軽減への政策提言、メールニュースの発行などをする予定です。

 ゼロネット東京の会員は東京大学で宣伝をした後、都内でアピールウオークをしました。

笠井議員に要請

 会見に先立ち、国会要請をしました。日本共産党からは笠井亮衆院議員が応対しました。笠井議員は日本共産党の学費政策を紹介し、「みなさんと思いは一つ。協力していきたい」とのべました。

全学連が要請

 全日本学生自治会総連合(全学連)は三十日、学費値下げ、学生や就学希望者の学ぶ権利の保障などを求めて文部科学省と財務省に要請しました。京都、長野など各地から学生が参加しました。

 文科省では、学生が「母子家庭で、学費、生活費すべて自分でまかなっている。バイトづけで学生生活を楽しむなんてできない」(長野)「三千人いる学生のうち、約百人が学費を滞納する事態になっている」(京都)など、深刻な実態を紹介しました。全学連委員長が「前回の要請で、文科省は『授業料をこれ以上値上げしないというのはもちろんだ』と表明したが、この立場は変わっていないか」とただしたのにたいし、文科省側は、「考え方を変えているわけではない」と答えました。

 財務省では、同省が国立大学授業料を私立大学並みに引き上げた場合、二千七百億円の財源を確保できるとする試案を発表したことに対し、大嶋委員長が学生にとっては、耐え難い負担になると指摘。「教育の機会均等、学生の声、実態をふまえて考えてほしい」と求めました。


7月5日にシンポ

 学生、父母や教員などで日本の高学費問題について学び、交流する「学費・教育費シンポジウム」が七月五日、午後一時半から東京大学本郷キャンパスで開かれます。全学連主催、医学連、奨学金の会の共催です。

 シンポジウムのほかに事前学習会、アピールウオークが行われます。

 問い合わせは全学連 電話042(572)6011。



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