2008年5月26日(月)「しんぶん赤旗」

温室ガス削減

日本の中期目標いわず

鴨下環境相 G8会合基調講演


 神戸市内で開催中の主要八カ国(G8)環境相会合は二十五日、地球温暖化や廃棄物問題について討論しました。地球温暖化問題で鴨下一郎環境相が基調講演し、七月の北海道洞爺湖サミットにむけて「解決の糸口を発信したい」と述べたものの、日本の温室効果ガス排出削減の具体的な中期目標には一言も触れませんでした。

 鴨下氏は、二〇五〇年に世界全体の排出量を半減するには「先進国が50%を大いに上回る削減目標を掲げ、率先して削減対策に取り組んでいかなければならない」と述べました。しかし、「今後十年から二十年の間にピークアウトさせる(増加から減少に転じる)ことも重要」などとし、従来の政府の主張を繰り返すにとどまりました。

 同氏はまた、日本政府が洞爺湖サミットでの合意獲得をめざしている「セクター別積み上げ」方式について、「途上国に比較的安価で多くのポテンシャル(排出削減可能性)が存在する。その実現には先進国の援助に支えられた協力的セクター別アプローチが貢献する」と述べ、発展途上国での削減にも同方式を用いる考えを示しました。

 鴨下氏は洞爺湖サミットで五〇年までの長期目標を「目指すべきビジョンとして共有」したいと述べました。これについて米国代表は、この目標が「義務的なものではなく願望を表明したもの」となるようにと要望しました。

 討論でドイツ、フランス両国の代表はそれぞれ、途上国による排出削減の重要性に触れつつも、「先進国の責任が大事であり、途上国がやらないことを言い訳にしてはいけない」などと述べました。



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