2008年5月25日(日)「しんぶん赤旗」
灰色金利撤廃へ課題さぐる
日弁連主催でシンポ
利息制限法の上限を超える「グレーゾーン(灰色)金利」の完全撤廃に向けたシンポジウム「改正貸金業法完全施行へのカウントダウン!」が二十四日、都内で開かれました。多重債務者対策の進行状況や今後の課題を議論しました。日弁連が主催、内閣府、総務省、金融庁が後援。自治体関係者や市民ら約二百五十人が参加しました。
灰色金利の撤廃を盛り込んだ改正貸金業法は二〇〇六年十二月に成立しましたが、核心部分である出資法の上限金利引き下げの実現は「おおむね三年後」とされました。
日弁連多重債務対策本部長代行の宇都宮健児弁護士は「相談窓口の拡充などの結果、多重債務者は減り始めているようだ。だが三社以上から借りている人がまだ三百七十八万人いる。さらに被害を掘り起こし、救済するのが完全施行に向けた課題だ」と指摘。「ヤミ金業者対策の強化と、低所得者への貸付制度の整備も必要」と語りました。
パネルディスカッションでは、相談窓口を開いている自治体の担当者や新聞記者、被害者団体代表が議論しました。
全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の本多良男事務局長は「問題の背景に貧困がある。普通に働けば暮らしていける社会にする運動も大切」と指摘しました。
日本共産党の大門実紀史参院議員も出席。あいさつで「社会には今も、人を多重債務に追い込む仕組みが多くある。悪質商法やマルチ商法などの問題でもたたかっていく」と述べました。