2008年5月22日(木)「しんぶん赤旗」

高額療養費制度の始まりは?


 〈問い〉 2007年4月から、患者の窓口負担は自己負担限度額までの支払いですむようになりました。そのときの経過、高額療養費制度が始まった1973年以来の日本共産党の態度も教えてください。(青森・一読者)

 〈答え〉 高額療養費制度は、医療保険制度の下で、かかった医療費の患者負担分に上限を設けているものです。たとえばサラリーマンが入院し100万円の手術を受けたときは、3割負担では30万円になりますが、この制度によって負担は約9万円におさえられ、残りは医療保険から支払われることになります。上限額は、外来、入院ごとに、また所得などにより異なります。

 しかし、この制度は償還払いが原則で、いったん窓口で全額を支払った後で、本人の申請で払い戻しされるものでした。これが07年4月から、70歳未満の入院について、患者の窓口での支払いは自己負担限度額までとなりました。(現物給付化)。

 日本共産党や医療団体は、繰り返しこの制度改善を求めてきました。すでに地方自治体、保険者ごとに貸付制度や受領委任払いにより、窓口負担を限度額だけにするとりくみもすすめてきました。

 実は07年からの改定は、06年医療改悪法とあわせ、政令改正で実施されました。4月実施を前に日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は、国保料滞納者を除外している問題点を指摘し、制限をやめ制度改善を徹底するよう求めました。

 70歳以上の高額医療費については、04年10月からの負担増―高齢者1割負担の徹底とあわせ、現物給付化が行われました。このときも日本共産党の小池晃参院議員が、在宅患者にも適用を広げていくことを求めています。

 このように、相次ぐ医療改悪の下でも、患者、国民の強い要求をもとに窓口での支払いの軽減に一歩、一歩努力してきました。しかし、限度額自体が引き上げられ、しかも食事代、居住費や差額ベッド代などは別枠で負担がかかります。重すぎる患者負担の引き下げ、軽減策がますます重要です。

 なお、73年に高額療養費制度がスタートした際、日本共産党・革新共同の田中美智子衆院議員は「療養費払い制ですから、まとまった現金がなければ医者にかかることもできません。全面的に現物給付にすべきだと思います」と、明確に主張しています(73年3月27日本会議)。(梅)

〔2008・5・22(木)〕


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