2008年5月17日(土)「しんぶん赤旗」

不発弾処理 1万6000人が避難へ

あす早朝から

東京・調布


 鉄道の地下化工事で見つかった戦時中の不発弾を処理するために、十八日早朝から午後まで、東京都調布市で住民ら一万六千人が退去命令にもとづき避難し、鉄道や国道も一部区間で運休、封鎖されます。

 不発弾は三月二十七日に京王線立体化(地下)事業の事前調査で、近隣住民の証言や文献調査をもとに磁気探査した結果、市内国領町一丁目の線路沿いの民有地の地下三メートルから発見されました。

 一九四五年四月に墜落した米軍爆撃機のB29が積んでいたと見られる長さ百八十センチ、直径六十センチの一トン爆弾。

 陸上自衛隊が信管をキャップで覆い、周囲を鉄柵で囲むなどの防護措置をし、警備会社が監視しています。

 撤去作業が行われる十八日は、午前十一時からの作業開始に合わせて不発弾が埋まっている地点から半径五百メートルを午前九時から立ち入り禁止区域に指定。住民ら約一万六千人に対し退去命令が出されます。

 介護が必要なお年寄りや病院に入院中の患者らは市側が用意した警戒区域外の特別養護老人ホーム、民間病院に移送することにしています。

 住民らは近隣の小中学校(四カ所)などに避難します。

 京王線は午前九時半から作業終了まで、調布駅からつつじケ丘駅間が運休となり、国道20号も一定区間で封鎖されます。

 撤去作業は「市職員が全戸を訪問、全員退去を確認し、自衛隊側に伝えて開始される。市民の皆さんに大変な迷惑をかけるが安全のために理解と協力をお願いするしかない」(市防災安全課)としています。

 市役所には、「爆発の危険を考えれば避難はしかたがない」としながらも、「買い物客の多い日曜日の昼間、半日も店を閉めるのは困る。営業補償はどうなるのか」などの問い合わせや苦情が寄せられています。

 市は、不発弾の防護装置(約二千五百万円)をはじめ、お年寄りや患者の移送費用、避難・立ち入り禁止区域の説明看板などでどのくらいの負担になるかわからないとしています。商店などの営業補償は災害対策法の対象外と説明します。

 十八歳のときに調布市内で米軍の空襲を体験した女性(82)は「当時、郵便局で働き、空襲のたびに手提げ金庫をもって防空壕に逃げ込んだ。戦後六十年以上もたってまた避難命令なんて怖い。あの戦争は国が始めたこと、その後始末は国が責任もって当然ではないか」といいます。


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