2008年5月17日(土)「しんぶん赤旗」
1―3月期GDP
外需依存 ゆがみ増す
物価上昇、個人消費を押し上げ
米経済が減速
内閣府が十六日発表した二〇〇八年一―三月期の国内総生産(GDP)は、輸出の好調さに頼ってきた日本経済の危うさを露呈するものになりました。
実質のプラス成長をけん引したのは、相変わらず輸出から輸入を差し引いた外需でした。前期比0・8%のプラス成長のうち、0・5%分は外需による稼ぎです。
その一方、名目では前期比0・4%の成長のうち、外需の寄与は0・2%減と、成長の足を引っ張りはじめています。
円高による影響で、輸出で稼いだ外貨が目減りしました。さらに、原材料高などのコスト増を製品価格に上乗せできない影響が表れました。
サブプライム(低信用層向け)住宅ローン問題によるアメリカの景気減速の影響が、企業の業績に影を落とし始めています。
〇七年度は、アメリカ向け輸出が四年ぶりに減少。輸出の落ち込みが企業の設備投資に響きました。名目で前期比0・7%減(実質同0・9%減)と三期ぶりにマイナスに転じています。
原材料高、円高、アメリカの景気減速…。輸出頼みの「成長」に黄信号がともっています。
GDPの約六割を占める個人消費は、実質で前期比0・8%増に対し、名目では同1・0%増となりました。
名目の個人消費が押し上げられた要因について、内閣府は「物価上昇も原因の一つ」と分析しています。
三月の消費者物価指数(総務省)は、前年同月と比べ、総合で1・2%の上昇となりました。特に、ガソリンなどの燃料やパンや穀物、生鮮野菜などの価格が上昇しました。
生活に身近な商品の値上げが、個人消費を底上げしています。
懸念要因増え
日本銀行の「生活意識に関するアンケート調査」(〇八年三月)では、生活に「ゆとりがなくなってきた」と答える人が56・7%。その理由の63・5%を「物価が上がったから」との回答が占めています。
その一方で、雇用者報酬が再び低迷の兆しを見せはじめました。
家計の所得が低迷するもとでの、物価高が家計を直撃しています。
原油価格は最高値を更新し続けています。
穀物価格高騰によるパンやめん類などの値上げは、四月以降本格化しています。
電気やガスなどの公共料金も四―六月、七―九月と、大幅に引き上げられる見込みです。
その上、高齢者に負担増を押しつける後期高齢者医療制度が四月から導入されました。
内閣府がこのほど公表した四月の景気ウオッチャー調査には、同制度が景気に悪影響を与えている様子が浮き彫りになりました。
政府が頼りにしていた北米向け輸出は落ち込みはじめています。物価高や負担増による痛みで家計は疲弊しています。外需依存型経済のゆがみをただして、個人消費を温めることこそ求められています。(山田英明)
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