2008年4月30日(水)「しんぶん赤旗」

主張

あす第79回メーデー

貧困なくし暮らし平和守ろう


 第七十九回メーデーを迎えます。

 メーデーは約百二十年前、八時間労働制の確立を求める国際統一行動として始まりました。世界各国の働く人びとが、そのときどきの切実な要求を掲げて、団結と連帯の力を示す一大決起の場として、年を追うごとに発展してきました。

たたかいの前進の中で

 ことしのメーデーは、自・公政治のもとで暮らしと雇用が破壊され、「ワーキングプア」(働く貧困層)の言葉に象徴される貧困と格差の広がりが、大きな社会問題になるなかで開かれます。差別的待遇を受けている非正規社員の正社員化や、だれでも千円以上の時間給・全国一律最低賃金制の確立、男女の賃金差別と「サービス残業」をなくすたたかいが前進しています。

 派遣労働の実態を告発し、労働者保護法の必要性を取り上げた志位和夫委員長の国会質問をはじめとした日本共産党の国会論戦と職場・地域のとりくみが結んで、政治と職場を動かし始めました。

 キヤノン、いすゞなど大企業が派遣労働者を直接雇用に切り替えるなど、規制緩和から強化へと流れの変化が生まれています。松下電器産業の子会社で働いていた青年が偽装請負を告発し、直接雇用されたものの五カ月後に解雇された事件の大阪高裁判決では、原告が全面的な勝利の判決(二十五日)を勝ち取っています。

 日本共産党は派遣法の導入・改悪に一貫して反対し、派遣法を労働者保護法に抜本改正するよう主張してきました。十日には改正法案も発表しています。全国ユニオンなどでつくる「格差是正と派遣法改正を実現する連絡会」(十七日)が主催した「さあつくろう派遣法改正案」と題した国会内の集会には、日本共産党、民主党、社民党、国民新党、公明党の代表が勢ぞろいし、日雇い派遣の禁止では各党が一致しました。

 「非人間的な働かせ方をこのまま許していては、日本の経済や社会の未来も奪う」ことが明らかになり、職場と政治を動かし始めました。メーデーを、この流れを本格的に発展させ、人間らしく働くルールを確立する跳躍台として成功させようではありませんか。

 ことしのメーデーはまた、自公政権が推し進めてきた新自由主義的「構造改革」路線の破綻(はたん)が明りょうになるなかで開かれます。

 この四月から七十五歳以上になっただけで差別する「後期高齢者医療制度」がスタートしました。「構造改革」路線の重要な柱の一つであるこの制度に怒りが噴出し、廃止を求める国民的な反撃が始まっています。

 「構造改革」でふみにじられてきた憲法二五条の「国民の生存権、社会保障増進の国の義務」を求める運動が各地でとりくまれています。

 医師・看護師不足の解消によるゆき届いた医療の実現や最低保障年金の確立、「世界一高い」学費の軽減を求めるたたかいなど、生活と権利を守るとりくみが、思想・信条や立場の違いを超え、保守・革新を問わず、草の根で広がっています。

国民的な共同を広げ

 海外派兵恒久法づくりや九条明文改悪など憲法改悪の策動は根深いものがありますが、改憲反対の世論と運動が前進し、「九条の会」は七千を超えています。この流れを太く広くしていきましょう。

 たたかえば政治は動かすことができます。国民的共同をさらに広げましょう。第七十九回メーデーの大きな成功が求められます。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp