2008年4月24日(木)「しんぶん赤旗」

国交回復を約束

周辺国会議 サウジなど各国

対イラク


 【カイロ=松本眞志】イラク周辺国拡大会議が二十二日、クウェートの首都クウェート市で開催されました。イラクのマリキ首相は、旧フセイン政権時に関係が悪化したイランや湾岸諸国を念頭に置き、域内の治安強化と安定のために「イラクが建設的役割を果たす用意がある」と述べ、近隣国との国交回復を訴えました。会議に出席したライス米国務長官は、イラクの債務救済などの財政支援を強化するよう求めました。

 サウジアラビア、バーレーン、クウェートはこの会議で大使館開設を誓約。クウェートはイラクからの賠償金削減のための検討委員会創設に同意しました。イランのモッタキ外相は、マリキ政権の政治・治安の安定化の努力への全面的支援を約束しましたが、一方で治安悪化の責任が米主導の駐留外国軍にあると指摘しました。

 会議には湾岸協力会議(GCC)加盟国、エジプト、ヨルダン、イラン、シリア、トルコ、国連安保理常任理事国の米英仏中ロ五カ国、日本、ドイツ、イタリア、スウェーデン、カナダなどの各国外相、アラブ連盟、国連、欧州連合(EU)、イスラム諸国会議機構(OIC)、北大西洋条約機構(NATO)が参加しました。会議は昨年五月のエジプト、十一月のトルコでの開催に続き三回目です。次回はバグダッドで開かれる予定です。

 湾岸諸国は、一九九〇年の旧フセイン政権のクウェート侵攻と翌年の湾岸戦争を契機にイラクとの関係を絶ち、〇三年の米軍のフセイン政権打倒後も、イスラム教シーア派主体のマリキ政権が成立したことで関係改善に消極的でした。マリキ政権が対イラン関係を強化したことも関係改善遅れの要因となりました。



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