2008年4月18日(金)「しんぶん赤旗」

温室ガス

米、25年まで増加容認

環境団体“削減必要”と批判


 【ワシントン=鎌塚由美】ブッシュ大統領は十六日、「二〇二五年までに米国の温室効果ガスの排出量増加をゼロにする」という地球温暖化対策「新たな国家目標」を発表しました。米国の温室効果ガス排出を絶対量でどれだけ削減するかは不明のもので、環境保護団体から厳しい批判が起きています。

 ブッシュ大統領の発表は、米国が主導する主要排出国会議(十七、十八の両日、パリで開催)を前に行われたものです。「現実的な中長期的目標」(ホワイトハウス)と位置づけ、技術革新を重視、原子力発電や排出量削減の技術の商品化の奨励策などを強調。発電所の温室効果ガス排出量増に十―十五年以内に歯止めをかけ、以後減少させることをうたい、さらに各国がみずから目標を設定するよう促しました。

 温室効果ガス削減のための法制化を議会とともに取り組むとする一方、議会に対しては、そのための「増税」や「経済に打撃を与える抜本的な排出量の削減」は「邪道」だとして反対を表明しました。

 米環境保護団体シエラクラブは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告が「壊滅的な影響を避けるためには、二〇二〇年までに最低でも15―20%、二〇五〇年までに80%の削減が必要」と指摘しているとし、「排出量増加の停止だけでは、極めて不十分だ」と強調しました。



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