2008年4月11日(金)「しんぶん赤旗」

「靖国」上映妨害に抗議

監督・言論人ら会見


 ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の四月の上映が中止に追い込まれた問題で、ジャーナリストや映画人ら十六人が十日、「表現者」として一堂に会し、参議院議員会館で緊急記者会見を行いました。映画への政治圧力と上映中止に抗議、表現の自由を保障するよう呼びかけました。

 配給協力・宣伝担当が上映中止に至った経過を説明。同映画の監督・李纓(りいん)さんも同席しました。「デリケートなテーマなので、右翼の問題等は映画館と事前協議していた。一緒に頑張ろうと言ってくれていたのに、中止になって非常に驚いている」と語りました。また、自民党の有村治子参院議員が国会で、映画の出演者が自身の映像の削除を求めていると発言していることについて「出演者に動揺はあったが、繰り返し映画の意味を話したら『上映してください。頑張って』と言ってくれていたのに信じられない。削除したら映画は成り立たない。国会議員が直接出演者に連絡を取り、態度を変えさせることまでしていいのか」と語りました。

 宣伝担当と李監督の発言を受け、会見では表現の自由の危機的状況が次つぎ指摘されました。原寿雄さん(ジャーナリスト)は「法的には何ら問題がないのに、上映が自主規制されてしまう。マスコミ全体が戦争を扇動する契機となった満州事変のあたりに、またきているようだ」と、日本社会全体の問題として発言。

 上映中止の原因となった国会議員向け試写を強要した自民党の稲田朋美衆院議員らにも批判が集中しました。田原総一朗さん(ジャーナリスト)は「事前に見せろとは言ってないと主張しているが全くのうそだ。宣伝会社の社長は、DVDを要求されたと言っている」と指摘。是枝裕和さん(映画監督)は「政府と一体化した文化助成にしないため、芸術文化振興基金で独立して審査しているのではないのか」と主張しました。

 ほかに石坂啓さん(漫画家)、斎藤貴男さん(ジャーナリスト)、広河隆一さん(『DAYS JAPAN』編集長)らが発言しました。



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