2008年4月8日(火)「しんぶん赤旗」

イラク戦闘再燃

首都で市民25人死亡


 【カイロ=松本眞志】イラクの首都バグダッドのサドルシティーで六日、米・イラク軍とイスラム教シーア派のサドル師派民兵組織が衝突し、市民二十五人が死亡、九十八人が負傷しました。この衝突は、三月三十日にサドル師派最高指導者ムクタダ・サドル師が停戦を呼びかけてから初めての大規模な戦闘です。

 ロイター電によると、現地の警察官は、米・イラク軍が六日早朝に軍事作戦を開始し、米軍ヘリが食料市場にロケット弾を撃ちこんで百軒の商店を破壊したと証言。イラク軍のアブドカンバル中将は「民兵側が武装解除を拒否するならば、われわれが武器を押収するまでだ」と作戦の目的について語っています。

 民兵側の反撃も激しく、米軍施設や政府省庁の建物が集中するバグダッド市内の「グリーンゾーン」で、ロケット砲や迫撃砲の攻撃によって米軍兵士二人が死亡し、十七人が負傷。これも含めてバグダッド全体で三人が死亡し、三十一人が負傷しました。一日の米軍の損害としてはこの数カ月間で最大です。バグダッド以外でも米兵二人の死亡が報じられています。

 米・イラク軍は三月二十五日の戦闘以来、サドルシティーの封鎖を継続。食料品が底を突き、物価が急上昇して市民生活を困難にしています。ゴミ収集など市民サービスも現在ストップした状態です。



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