2008年4月3日(木)「しんぶん赤旗」

米兵聴取 遅い

タクシー殺人逮捕状請求へ

住民に いらだちと不安


 神奈川県横須賀市でタクシー運転手が刺殺された事件で、神奈川県警捜査本部は二日、在日米海軍が拘束していた一等水兵(22)を初めて事情聴取しました。米側による水兵拘束から十一日。あまりに遅すぎた県警による米兵への事情聴取に、米海軍横須賀基地の周辺住民からは、いらだちと怒りの声があがっています。


 基地ゲートに近い商店街のフラワーショップの男性店主(48)は「基地の人間も買い物にくるのでコメントできない」としながらも、「えっ、今日まで日本の警察は容疑者の米兵の事情聴取もできなかったんですか」とビックリ。「一昨年に女性が、遊ぶ金ほしさの米兵に殺されたばかりなのに、タクシー運転手を刃物で刺し殺すなんて許せない。(店の前の国道をさし)あの向こうは別世界だから」と米軍基地の治外法権を指摘しました。

 タクシー運転手の高橋正昭さんが殺された現場に近い、商店の女性(84)は「事件のニュースを見てすぐに“あっ、これは米兵だ”と感じました。あの辺りは米兵しか出入りしないのよ。以前に米兵バーがあったからね。米軍基地があるからこんな事件が絶えないよね」と不安を訴えました。

 「ここで五十年近く商いをしている。米軍関係者も買い物にくるので」と言葉少なに語る日用品店の男性(83)は「いいたいことは山ほどあるが、基地に関することは言えない。でも殺人はひどい。まだ逮捕できないなんて」と事件から二週間がたっても容疑者を逮捕できない日米の対応にいらだちの表情を隠しませんでした。



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