2008年4月3日(木)「しんぶん赤旗」

日本提案に「各国不安」

気候変動条約 事務局長語る


 【バンコク=井上歩】国連気候変動枠組み条約のデ・ブア事務局長は一日、バンコクで開催中の気候変動会議での会合で、産業・分野別の排出ガス削減目標を積み上げて国別総量目標を設定するとの日本の提案に「各国は不安になっている」とのべました。会合出席者が明らかにしました。

 発展途上国からは「まず最初に総量削減目標を設けて、それからセクターごとに目標を決めるべきだ」(バルバドス)との意見も出ました。

 日本提案はセクター別アプローチと呼ばれ、鉄や電力など産業・分野別に温室効果ガス削減の技術的可能性に基づき削減量を算出し、それを合算して国別総量目標を決定する方式です。

 京都議定書から離脱した米国は「セクター別」方式に前向きの姿勢で、日米間には合意があるといわれます。しかし、これで温暖化防止に必要な削減量が達成できるのか疑問視されています。

 また温暖化防止で先進国と「共通だが差異ある責任」を負う途上国には、エネルギー効率などで先進国並みの削減義務が課されれば「経済発展が阻害される」との警戒感が強いといわれます。三月に千葉で開かれた気候変動対話でも、途上国から「先進国と同じ義務を課すのか」と反発が相次ぎました。



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