2008年3月27日(木)「しんぶん赤旗」

新銀行東京

400億円投入案を可決

都議会予算特 自公賛成 共産党は反対


 東京都議会予算特別委員会は二十六日、新銀行東京への追加出資として四百億円の税金を投入する二〇〇八年度補正予算を自民、公明の賛成多数で可決しました。二十八日に本会議で採決が行われます。補正予算には日本共産党と生活者ネットワーク、新銀行設立の一千億円出資に賛成した民主党が反対しました。

 日本共産党の古館和憲議員は反対討論に立ち「一千億円の税金をドブに捨てた責任はあげて知事にある」と経営破たんの責任を認めない石原慎太郎知事の姿勢を批判。「追加出資の根拠も再建計画の基礎的な情報も明かさず、予算の承認だけを一方的に求めるという議会制民主主義をないがしろにしたやり方は認められない」とのべました。

 古館氏は質疑を通じて、破たんの原因が旧経営陣にあるのではなく、知事の側近が取り仕切ってつくりあげたマスタープラン(新銀行の基本計画)を旧経営陣に押し付けたからだということが浮き彫りになったとして、「もはや新銀行存続の意義はまったくない。四百億円追加出資に反対する都民の声が急速に広がっている。それでも追加出資するというなら知事は辞任して選挙で都民の審判を受けるべきであり、新銀行設立に賛成した政党も都民世論に従うべきだ」と主張しました。

 自民、公明両党は「苦渋の選択として追加出資に賛成する道を選んだ」(自民)、「都の説明を一定程度理解した」(公明)とのべ、「適切な監視に努める」など三項目の付帯決議を共同提案し、賛成しました。

石原知事「世論気にしたら政治できぬ」

 石原慎太郎都知事は二十六日に開いた都議会予算特別委員会終了後、記者団の質問に、新銀行東京への追加出資について、「世論調査なんか気にしてたら政治なんかできません」と開き直りました。

 石原知事は、記者団から世論調査で七割以上の都民が追加出資に反対しているがとの問いに、遮るように、「ようするに都民の皆さんが、議会で知っていること以上のことを知っているわけがないんですね。結局心情論」とのべ、追加出資法案が可決したとたんに、前日の“おわび発言”を高飛車な姿勢で投げすてました。

 知事はまた、新銀行の再建計画を疑問視する意見が専門家から相次いでいることに、「あの再建策の限りじゃそうでしょうね」と人ごとのようにのべました。追加出資する四百億円を棄損した場合のことをたずねられ、「そのときはやっぱり責任を取らなくちゃいかんでしょ。黙って結果をみてください」と虚勢を張りました。


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