2008年3月22日(土)「しんぶん赤旗」

米軍基地前

横須賀タクシー運転手殺害

住民に募る不安


 神奈川県横須賀市で起きたタクシー運転手刺殺事件(十九日夜)の現場の路上には二十一日、花束が置かれていました。

 事件現場の同市汐入町二丁目のアパート前。最寄り駅の京浜急行汐入駅から徒歩三分ですが、繁華街の外れで片側が山の斜面に面し、昼間でも人通りの少ない裏道です。亡くなったタクシー運転手の高橋正昭さん(61)=東京都品川区=の事件で、警察側が行方を追っているのは米海軍横須賀基地所属の米兵。米海軍横須賀基地正門は汐入駅から六分です。

 現場付近にある問屋の女性従業員は「(現場の)道は夜も人通りが少なく、住民しか歩きません。汐入駅では米兵のタクシーの乗り降りは頻繁にありますよ」といいます。近くのマンションの前を掃除していた管理会社員の男性(66)は「運転手がかわいそう。こんな事件が身近に起きるなんて恐ろしいです。原子力空母が来てまた何かあったら嫌です」と語りました。

 汐入駅前にタクシーをとめていた横須賀生まれという男性運転手(60)は、「米兵は駅前で頻繁に乗り降りするし、ここらへんもあちこちに住んでいるよ。米軍基地に入れるタクシーもあるけれど、おれは外国人を乗せない」とのべ、「おれは横須賀を出ていくつもりだよ、原子力空母が来るから。事故が起きるに決まっている。上(政府)がだめなんだよ」と力を込めました。

 横須賀市内では米原子力空母の八月配備計画をめぐり、その是非を問う住民投票条例をつくろうと直接請求署名運動が行われています。汐入駅でも休日には市民に署名をよびかける行動が繰り広げられています。二十一日、京急横須賀中央駅前で署名を集めていた女性(50)は「米兵犯罪は許してはいけません。米軍基地があると怖い。市民はもっと声をあげないと」とのべました。(洞口昇幸)



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