2008年3月21日(金)「しんぶん赤旗」

主張

無法な侵略戦争

平和の国際秩序の前進を


 この五年間、イラク戦争は世界政治の最大の問題となってきました。ブッシュ米政権はイラクを「テロとの戦いの主戦場」だとして戦争を正当化し、いまなおイラクに十六万の大軍を展開し、占領政策にしがみついています。しかし、無法な侵略戦争への批判はますます強まり、ブッシュ政権は世界でも米国内でも孤立を深めています。

何の大義もない

 米国は平和解決への努力を断ち切って、国際法に反する戦争に突入しました。開戦前、国連安全保障理事会は、イラク侵攻への国際社会の強い反対を受けて、米国などによる武力行使容認の要求を拒否していました。国連監視検証査察委員会はイラクによる大量破壊兵器の保有・開発の疑惑を調査し、米国が提出した疑惑の少なくとも一部は作り話であることを明らかにするなど、査察継続によって事態を解決する見通しを示していました。

 米国があげた侵攻の口実は開戦後、次々に崩れ去り、イラク戦争に何の大義もなかったことも明らかになっています。

 侵攻後、米国はイラク国内をくまなく調査したものの、イラクが大量破壊兵器を開発していたとの証拠を示すことはできませんでした。イラクに国際テロ組織アルカイダとのつながりもなかったことも、米国自身の調査で明らかになっています。国際社会を前にイラクの大量破壊兵器開発などの「証拠」を列挙し、侵攻を正当化したパウエル米国務長官(当時)はその後、安保理での自らの発言を「生涯の汚点だ」と述べています。

 米国は、米国を支持する国でつくる「有志連合」で戦争に踏み切りました。しかし、イラクに派兵する「有志連合」は最大時の三十九カ国から十九カ国へと半減し、撤退への流れが加速しています。

 日本共産党は開戦の報を受けて、中央委員会声明を発表し、この戦争を「国連憲章が規定した平和の国際秩序にたいする正面からの挑戦」だと糾弾しました。また、平和解決の道を武力で断ち切った米政府の行為は、「フセイン(イラク)政権の打倒こそが本来の最大の目的であったことを、あからさまな形で実証した」と指摘しました。

 開戦に至る過程で浮き彫りになった平和解決を求める世界の流れは、この五年間にますます強まり、国連憲章を基礎とした平和の国際秩序を築く共同の努力が広がっています。

 主権の尊重、武力行使の放棄などをうたう東南アジア友好協力条約(TAC=二十四カ国)が、東南アジア諸国連合(ASEAN=十カ国)の域外に急速に広がったのは、イラク開戦後のことです。

 イスラム諸国会議機構(OIC)首脳会議は十四日採択した宣言で、「世界平和のため国連の使命を全面的に擁護する」としています。二月に開かれた南米諸国とイスラム諸国との外相会議宣言も、国際社会の基本として、「多国間協調主義と国連憲章の諸原則」への強い支持を表明しました。

テロをなくすためにも

 五年間の国際社会の動きは、平和のための共同にこそ進むべき道があることを鮮明に示しています。

 米国が国際世論の反対を無視して進めてきた「対テロ戦争」は、テロを抑えるどころか、あおる結果になってきました。武力でテロをなくすことはできず、この点からも平和を求める対話の動きが一段と強まっています。



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