2008年3月8日(土)「しんぶん赤旗」

累積損失1016億円

新銀行東京 都の出資額上回る


 新銀行東京(東京都千代田区、津島隆一代表執行役=前都局長)の累積損失は今年三月期決算で一千十六億円にふくらむ見通しで、都の出資した一千億円を上回ることが、七日までに分かりました。

 同行の再建計画(二月二十日発表)の説明資料では、二〇〇八年三月期決算で百六十七億円の純損失を生じ、累積損失が一千十六億円に増える見通しです。百四億円の経常収益をあげるのに、経常費用が二・五倍の二百五十五億円もかかるという赤字たれ流しです。

 新銀行東京は、石原慎太郎知事が〇三年知事選の公約にかかげ、都が一千億円を出資して〇五年四月に開業。「石原銀行」とよばれています。

 〇四年三月の都議会で、新銀行への出資予算に日本共産党は反対しましたが、自民、民主、公明の「オール与党」が賛成し可決。石原知事は「今回出資する一千億円が、やがては数兆の値になる」と大風呂敷を広げ、設立を強行しました。

 日本共産党都議団は繰り返し、「自治体が銀行経営に乗り出すべきではない」「新銀行はやめ、中小企業への制度融資を拡充すべきだ」と主張し、銀行経営から手を引くよう求めてきました。

 今都議会に石原知事は、四百億円の追加出資を提案しました。日本共産党は知事の責任を追及し、「再建の見通しもないのに経営を続け、傷口を広げる」「都民の税金をドブに捨てることは許されない」と撤回を求めています。

 説明資料では、四百億円の追加出資を前提に本部、六店舗などを新宿一店舗に集約、人員を大幅に減らすリストラを実施しても、〇九年三月期決算で百二十六億円の経常損失を見込んでいます。


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