2008年3月7日(金)「しんぶん赤旗」

今月末の国連温暖化会議

日本は見解未提出

EU、25―40%削減強調


 二〇一三年以降の地球温暖化対策の新たな国際協定について交渉する国連会合が三十一日からバンコクで開催されますが、日本政府が同会合に向けた見解を締め切りの二月二十二日までに提出していないことが判明しました。政府は、この国際交渉で主導的役割を果たすとしていますが、国内で意見が調整できず、国際交渉のスタートラインにさえ立てないことが明らかになった形です。

 今回の会合は、「気候変動枠組み条約のもとで長期的な協力行動を検討する特別作業部会」。昨年十二月のインドネシア・バリ島での同条約第十三回締約国会議(COP13)を受けた初の国連会議です。この会合に向け各国が提案を事前に出すことが合意され、すでに欧州連合(EU)を含む二十六の国・国家連合が提出。国連は三日付でこれらを公表しました。

 このうちEUは、危険な温暖化を回避するため▽全世界の温室効果ガス排出量のピークを今後十―十五年間に迎えるようにする▽先進国が主導的役割を果たし二〇年までに一九九〇年比で25―40%削減する必要がある―と改めて強調。〇九年末に新協定に合意するため、「特別作業部会」を年四回ずつ開くことなどを提案しています。

 米国は、新協定への主要排出国の参加を妨げないように、合意内容が「あまりに煩雑で非現実的なもの」にならないようにすべきだと表明。一部の対策は国連以外の国際会合で実施することも提起しています。

 中国は、「京都議定書締約国でない先進国」との表現で、米国が排出削減の数値目標をもつことを検討するよう指摘。「セクター(部門)別アプローチ」については、「世界的に個々の部門で基準を決める」手法に反対を表明しています。

 これに対して日本政府が提出を予定している見解は、一月末のダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)での福田康夫首相の提起を踏まえ、鉄鋼や電力などの産業部門別に排出削減量を算出し、これらを積み上げる方式を提案するものとなるもようです。この方式には、「総量での削減を保障できない」との批判が出ています。



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