2008年3月3日(月)「しんぶん赤旗」

インド政府 貧農借金肩代わり

来年度予算案 1兆6800億円


 【ニューデリー=豊田栄光】インドのチダムバラム財務相は二月二十九日、来年度(二〇〇八年四月―〇九年三月)の予算案を国会に提出し、貧農の借金を政府が肩代わりする支出として六千億ルピー(一兆六千八百億円)を計上しました。対象となる農民は約四千万人。歳出総額は約七兆五千億ルピー(二十一兆円)で、今年度の当初予算より9%増加しています。

 借金の全額肩代わりの対象となるのは、二ヘクタール以下の農地しか所有していない農民。昨年末が返済期限だったにもかかわらず、今年二月二十九日までに支払っていない金融機関からの融資についてです。個人からの借入金は含まれません。計上予算は五千億ルピー(一兆四千億円)です。

 その他の農民については融資額の25%減額措置をとり、千億ルピー(二千八百億円)をあてます。

 所得税については、課税最低限を年収十一万ルピー(三十一万円)から十五万ルピー(四十二万円)に引き上げました。六十五歳以上の高齢者の課税最低限は十九万五千ルピー(五十五万円)から二十二万五千ルピー(六十三万円)に、同じく女性は十四万五千ルピー(四十一万円)から十八万ルピー(五十万円)となりました。

 〇六年の農民の自殺は一万七千六十人。〇二年以降は一万七千人前後で推移し、大半が借金苦によるもので社会的な大問題となっています。

 綿花農家などは貿易自由化による安価な輸入産品の流入で大きな被害を受けています。人口の七割、就労者の六割強が農村で暮らしています。インド経済はここ数年間、8―9%台の高度成長を記録していますが、貧富の格差が拡大し貧困層の不満は高まっています。


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