2008年2月29日(金)「しんぶん赤旗」

北洋銀課長

二審も過労死認定

札幌高裁判決 国の控訴棄却


 業務中に倒れ、亡くなった北洋銀行野幌支店の営業課長、斉藤久江さん(二〇〇〇年七月死亡)=当時(56)=の過労死認定をめぐって国と札幌東労働基準監督署を相手どって争っていた「北洋銀行過労死裁判」で二十八日、札幌高裁(信濃孝一裁判長)は一審に続き、「過重労働に起因する過労死」と国側の控訴棄却の判決を出しました。

 夫の幸雄さん(〇六年一月死亡)が「妻の死は過労死」と労災を認めなかった同労基署を相手に〇三年十月に札幌地裁に提訴、同地裁は〇六年二月、北海道拓殖銀行から北洋銀行が営業を譲り受け、それに伴うシステム統合の過程で久江さんが自宅に持ち帰った残業の「業務性が認められる」と久江さんの死を過労死と認める画期的な判決を出しました。

 国側が不服として控訴したため、娘の堀川美保さんが訴訟を引き継ぎました。法廷の中で「よかったね」と支援者から声がかけられると、美保さんと夫の智貴(ともき)さんは涙を流して喜び感謝しました。

 勝利集会で智貴さんが美保さんのメッセージを代読、「控訴審でも母の死が過労死と認められたことをとてもうれしく思います。地裁判決直前に無念の死を遂げた父も、きっと天国で同じ気持ちでいると思います」とのべ、拍手を浴びました。

 原告代理人の伊藤誠一弁護士は「高裁判決は地裁判決を踏襲し、全面的に主張が認められました」と報告しました。

 北洋銀行労働組合の黒沢剛委員長は、声明を読み上げ、国が再び業務上と認めた高裁判決に素直に従い、上告することなくただちに労災を適用するよう強く求めました。


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