2008年2月26日(火)「しんぶん赤旗」

原爆症認定

厚労省、新方針示す

被爆者 「認定枠拡大が必要」


 原爆症認定基準の見直し問題で、厚生労働省は二十五日、同省の新基準案にもとづく「新しい審査の方針」(仮称・案)を、原爆症の認定審査をしている「原子爆弾被爆者医療分科会」(厚労相の諮問機関、会長・佐々木康人国際医療福祉大放射線医学センター長)に提示しました。

 方針案は新基準案に沿ったもので、▽爆心地から約三・五キロメートル以内で被爆▽原爆投下から約百時間以内に爆心地から約二キロメートル以内に入市▽約百時間経過後、約二週間以内の期間に一週間程度以上滞在―の範囲を設け、これに該当する被爆者が、悪性新生物(がんなど)、白血病、副甲状腺機能亢進(こうしん)症、放射線白内障、心筋梗塞(こうそく)にかかった場合は積極的に認定します。

 新基準案で「約三・五キロメートル前後」となっていた要件は、方針案では「約三・五キロメートル以内」に限定。入市被爆者が入市した距離や滞在期間は示していませんでしたが、「約二キロメートル以内」「約二週間以内」と明記しました。

 この要件に入らない被爆者については、被ばく線量、既往歴、環境因子、生活歴などを総合的に勘案して、個別に判断するとしています。

 原爆症認定審査の体制案では、現行基準の柱である「原因確率」は、審査の迅速化をはかるためにのみ使用し、原因確率が10%以上なら事務局で認定処理をおこなうとしました。分科会の下に新たに四つの部会を設け、被爆者医療にかかわってきた医師や法律の専門家を臨時委員に加える方針をだしました。

 「新しい審査の方針」について日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)の田中熙巳事務局長は、「線引きをせずに認定枠を広げていかなければ問題は解決しない」と強調。厚労省との協議とあわせ、制度の抜本改善にむけ連続的な行動を起こしていくと紹介しました。

 厚労省前では、東京在住の被爆者や支援者ら約四十人が「一日も早い解決を」と訴えました。


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