2008年2月21日(木)「しんぶん赤旗」
パキスタン
野党、連立を協議
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【ラホール(パキスタン)=豊田栄光】十八日の総選挙で躍進したパキスタン人民党(PPP)とパキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML―N)の二野党は十九日、ムシャラフ大統領の辞任を要求しました。大統領側はこれを拒否しました。
ラホールで記者会見したPML―Nのシャリフ総裁(元首相)は「国民は大統領に辞任を求めている。国民は審判を下した」と語り、PPPのザルダリ共同総裁は英BBC放送に対して、「国会で辞任を迫る。すべての政治勢力の支援を求める」と話しました。
クレシ大統領報道官は「今回は大統領選挙ではない。ムシャラフ大統領はすでに五年の任期で再選されている」と述べ、辞任要求の取り下げを強調しました。
一方、PPP、PML―Nは連立政権へ向けた協議を進め、シャリフ氏はザルダリ氏とイスラマバードで二十一日会談することを明らかにしました。地元紙の報道によると、ザルダリ氏はイスラマバードの米大使館を訪問。ペタルソン大使は同氏に対して、穏健な勢力と協力して民主的な政府をつくることを促しました。
二十日昼時点での非公式結果は次の通りです。
直接投票で候補者を選ぶ一般選挙区(二百七十二の小選挙区、うち四は再選挙)では、暗殺されたブット元首相の野党PPPは八十八議席前後(前回六十二)。PML―Nは六十五議席(同十四)以上を獲得しました。
大統領の与党パキスタン・イスラム教徒連盟(PML)は四十議席前後(同七十八)です。
ほかに比例区で女性枠六十、非イスラム教徒枠十があり、下院総定数は三百四十二です。
憲法によれば、国会は上下両院の三分の二以上の同意で、大統領を弾劾、または憲法を改定できます。憲法改定では大統領権限を変更できます。
上院百議席は州議会議員らによる間接選挙で選出します。