2008年2月20日(水)「しんぶん赤旗」

奨学金給付制実現を

予算委で石井議員 返済困難例を紹介


 有利子の貸与制奨学金では負担が大きく返済が困難―。日本共産党の石井郁子衆院議員は十九日の衆院予算委員会で、奨学金の異常に高い実態をとりあげ、給付制に踏み出すよう求めました。

 石井氏は奨学金は学業を続ける命綱であるにもかかわらず、日本の制度は貸与制であり、多くは有利子だと指摘。学部生や大学院生の有利子の場合の返済総額と月額について質問しました。文部科学省の清水潔高等教育局長は0・9%の利子として、学部生で月十万円貸与の場合、五百二十七万円で返済は月額二万二千円で二十年、院生で月十万円貸与の場合、一千百八十万円で月額五万三千円で二十年返済になると答弁しました。

 石井氏は「返済を考えると返す自信がなくて、進学できない」との学生の声を紹介。大学を出ても二人に一人は月収十万円程度の不安定雇用で月に約二万円を返すことは困難だと指摘し、国として給付制の必要性を考えるべきだとのべました。

 額賀福志郎財務相は「経済的理由で教育を受けられないことはあってはならない」と答弁。石井氏は、日本学生支援機構調査でも返済滞納理由の「無職・失業」が二〇〇一年の6・5%から〇五年には20・3%と増加していることをあげて、給付制に踏み出すべきだと強調しました。

 高すぎる授業料が問題だとして、“親の年収四百万円以下の家庭は授業料免除”との東京大学の制度を全国の制度にすべきだと提案しました。



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