2008年2月8日(金)「しんぶん赤旗」
日教組への会場使用拒否
表現の自由を侵害
プリンスホテルに謝罪要請
日教組の教研集会の会場使用をグランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)が拒否した問題で、弁護士らが七日、同ホテルに謝罪などを求めた要請書を提出しました。
「プリンスホテルの集会使用拒否問題を考える会」の要請に、ホテル担当者は「後日、回答する」と答えるにとどまりました。
要請書では、今回の対応が(1)集会表現の自由を侵害(2)右翼ににらまれる者は集会ができないという社会を招く危険(3)「裁判所の命令を無視して構わない」という風潮を生む危険を指摘しています。
日教組は、一日に予定していた全体集会のために同ホテルと会場使用の契約を結んでいました。しかし同ホテルは、集会当日の右翼団体からの妨害を理由に契約を取り消しました。その後、東京地裁、高裁が会場使用を認める仮処分決定を出しましたが、同ホテルはこれに従わず、全体集会を開くことができませんでした。
この問題を「考える会」発起人の毛利正道弁護士が三日にメールマガジン「非戦つうしん」で取り上げたところ、要請の趣旨に二百七十二人の賛同が集まりました。
記者会見で、毛利弁護士は、「表現の自由を守るべき者が侵害する事例が連続している。非常に大きな問題だ。裁判所の決定でも西武グループなら守らなくていいのか。司法がないがしろにされている」とのべました。