2008年2月5日(火)「しんぶん赤旗」

救急医療の危機 山下質問

根本に医療費抑制策


 「救急医療の最前線から政府の医療政策の転換を求める声が噴出している」―日本共産党の山下芳生議員が四日の参院予算委員会で行った質問は、いま全国で深刻化している“医療崩壊”の根本を問うものでした。

 各地で救急患者の受け入れ先を見つけるのが困難になっているのは、「初期救急」、「二次救急」、「三次救急」から成り立っている救急医療体制が揺らぎつつあるからです。

 とくに重大なのは「二次救急」から撤退する病院が増えていることです。山下氏がグラフで示した大阪だけでなく、全国の二次救急病院数は二年前に比べ百七十四減少し、三千九百九十六になりました(〇七年十月時点「朝日」調査=一月十四日付)。「毎日」調査(四日付)でも、二次救急病院の22%が「〇五年一月以降、救急診療を縮小した」「近く縮小する」と答えています。こうした結果、「本来二次救急で受け入れるべき患者が三次救急に流れ、『最後のとりで』の救命救急センターがいつも『処置中』か『満床』に近い状態」(山下氏)に陥っているのです。

 山下氏は、メスを入れるべき問題として「医師不足」と「病院の経営難」をあげました。

 「毎日」調査でも、救急体制縮小の理由のトップは「医師不足」(77%)。一人の当直医師で救急に対応している病院も少なくないことが明らかになっています。医師不足ゆえの過重労働が、さらに救急医療からの医師の撤退を招くという悪循環が起きています。

 もともと日本の医師数は、人口千人あたり二・〇人(〇四年)で経済協力開発機構(OECD)加盟三十カ国中二十七位。日本共産党の市田忠義書記局長が一月二十三日の参院代表質問で指摘したように、OECD平均と比べ十四万人も不足しています。

 政府は、医療費抑制の手段として閣議決定(一九八二年、九七年など)までして医師養成数を抑えてきました。その誤りを認め、抜本的に政策を転換する必要があります。

 「経営難」の打開も急務です。もともと救急医療は人件費のかさむ不採算部門です。大阪の救急医療関係者からは「従来、療養病床の収入で救急の赤字をカバーしてきたが、〇六年の診療報酬改定で報酬がカットされ、それもできなくなった」との声があがっています。医師の労働条件の改善や、病院が安定した経営ができるような診療報酬を保障するなどの手当が、早急に求められています。

 現場の医師、看護師、救急隊員らは「一人でも多くの命を救いたい」と必死で頑張っていますが、もはや限界です。山下氏が「いま頑張らなければならないのは政治だ」と述べたように、政治の真剣な対応が迫られています。(坂井希)

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