2008年1月30日(水)「しんぶん赤旗」

国会そもそも事典


 今国会では、昨年の参院選結果がつくりだした新しい政治情勢を反映し、普段聞きなれない用語がさまざま聞こえてきます。そこで新シリーズ(随時掲載)・「国会そもそも事典」。第一回は、「日切れ法案」「つなぎ法案」です。


〈日切れ法案つなぎ法案〉

 例えば、税や社会保障制度などの特定の措置が年度末に期限切れとなるため、新年度からの新たな措置を盛り込んだ法律案が日切れ法案と呼ばれます。

 政府与党は二十三日、ガソリン税の暫定税率を十年延長することなどを盛り込んだ租税特別措置法改定案を国会に提出しました。ガソリン税の暫定税率が三月末で切れるため、この法案を三月末までに成立させ、期限を延長させるという方針です。

 ところが、参議院で与野党の力関係が逆転したもとで、三月末までに法案が成立しなかった場合、暫定税率は延長できません。

 こうした状況に対応して、暫定税率を“応急措置”で当面二カ月続けられるよう、与党が国会に提出したのが「つなぎ法案」です。

〈再議決〉

 憲法は、予算については、衆議院と参議院の議決が異なった場合、衆議院の議決を優先することを明記しています。この中で、参議院が予算を三十日以内に議決しない場合、衆議院の議決が国会の議決となることを定めています。

 一方、予算関連であっても租税特別措置法改定案などの法案については、衆議院と参議院の議決が異なれば、原則として成立しません。例外の一つが、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再可決することです。

 また、法案が衆議院で可決され参議院に送付されてから、六十日たっても参議院が議決しない場合、衆議院は参議院が否決したと見なすことができます。この場合、衆議院の出席議員の三分の二以上で再可決し、成立させることもできます。

 暫定税率延長問題で危機感をもった与党は今回、「つなぎ法案」を無理やり押し通そうとしていますが、予算関連法案が予算本体より先に審議されることは、前代未聞の事態です。


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