2008年1月27日(日)「しんぶん赤旗」

解説

政府に生態系守る責任

名護新基地めぐる米地裁判決


 「(新基地建設の)計画に変更はない。サンゴ、藻場、ジュゴンへの影響を少なくするよう配慮した。一日も早い移設を進めるのが日本の大方針だ」。町村官房長官は二十五日の定例会見でこう豪語した、と報じられています。

 環境省がまとめた「ジュゴンと藻場の広域的調査」を見るまでもなく、新基地建設予定の沖縄県名護市の辺野古沿岸や大浦湾付近はジュゴンの餌である藻場と食跡が集中しています。

 新基地建設のために工事用の作業ヤードが計画されている大浦湾内にはサンゴ群など貴重な生態系があります。

 ジュゴン保護は沖縄県民が求めているだけではありません。

 国際自然保護連合(IUCN)、日本国内では日本水産資源保護協会が絶滅危惧(きぐ)種に区分、一九七二年には文化財保護法による国の天然記念物に指定されるなど、捕獲や殺傷を禁止しています。

 沖縄県が辺野古から大浦湾一帯をもっとも保護を要する評価ランク1「自然環境の厳正な保護を図る区域」に指定しているのもそのためです。

 辺野古で座りこみを続けるおじぃ、おばぁたちはずっと言い続けてきました。「新基地の話がもちあがってからジュゴンはよく現れるようになったさ。ジュゴンを追い出し、辺野古の海を壊す新基地建設は許されないからね」

 地球環境が最重要テーマになる洞爺湖サミットの議長国として日本政府の姿勢が国際的にも厳しく問われます。(山本眞直)



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