2008年1月26日(土)「しんぶん赤旗」

医療改善へ発言相次ぐ

前橋 診療報酬改定で公聴会


 中央社会保険医療協議会(中医協、厚生労働相の諮問機関)は二十五日、二〇〇八年度診療報酬改定に向けて医療現場や患者などの声を聞くため、群馬県の前橋市民文化会館で公聴会を開きました。医師や看護師、患者など十人が意見を述べました。政府の医療政策に対し、現場から改善を求める声が相次ぎました。

 前橋市の開業医の男性は、診療報酬を0・38%引き上げるという〇八年度の改定率について「どういう根拠で積算されたのかわからない」と発言。頻度の高い診療がどのように配慮されているのかなど、詳しく説明してほしいと要望しました。

 神奈川県保険医協会の男性は、診療所の再診料引き下げに反対する意見を述べました。診療所の再診料は、医師の基本的な技術料であるとともに「看護師や受け付け事務、診療所の安全対策などを支えるバックグラウンドにもなっており、引き下げが医療機関に与える影響は大きい」と強調。前回(〇六年)の改定以降、倒産する開業医が増えており「再診料の引き下げは、地域医療の第一線を担っている開業医をいっそう経営難に追い込むものだ」と批判しました。

 医労連の看護師の女性は、「患者七人に看護師一人」を配置する医療機関へ診療報酬を手厚くする「七対一入院基本料」について、〇八年度の改定で新たに「看護必要度」による評価を導入することは「絶対やめてもらいたい」と発言しました。看護師の増員が切実に求められるなか、進みつつある増員の流れに水をさすものだと指摘。現在示されている評価項目は、看護の必要度を科学的にはかる指標かどうか疑問があるとともに、「必要度のチェックに時間をとられ、看護にあてる時間を削ることになれば本末転倒だ」と述べました。



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