2008年1月17日(木)「しんぶん赤旗」

衆院選 最前線

北海道ブロック(定数8)

宮内聡氏

イカ漁師「納得した」

原油高騰 救援策に共感


 異常な原油高騰が庶民のくらしや経営を直撃し、かつてない苦境に立たされている北海道。日本共産党の宮内聡衆院比例予定候補は、定数八の北海道ブロックで、五年前に失った議席をなんとしても奪回し、貧困と格差を拡大する政治をやめさせようと駆け回っています。(田代正則)


 道南部の渡島山地の間をぬって雲石峠を越え、日本海側に抜けるバスのなか、宮内さんは政府の原油価格対策資料をひたすら読み込みます。

■船出せず

 「おれたちの話を聞いてほしい」。燃料の高騰で、船を出せずに困っている道南の漁師たちが訴えてきたことから、空が白み始めた午前六時すぎに札幌の自宅を出発、地下鉄とJR、バスを乗り継いで四時間半、江差町にやってきました。

 江差町で宮内さんを待ち受けていたのは、ひやま漁協の菊地勲理事。江差の漁師が歌い継いできた民謡「江差追分」の名手としても有名です。

 保守系元町議や自民党の後援会で活動していた人など、いままで共産党と付き合いがなかった漁師も集まっていました。

 菊地さんは「イカ漁を夜まで頑張りたいが、燃料費が上がって十万円分釣っても、一、二万円しか残らない。ライトをつけたら割に合わないから帰ってくるんだ」と厳しい実情をぶつけました。船を動かすための重油は一時期の三倍以上にも値上がりしています。

■税免除を

 漁師の話に、うなずきながらメモを取っていた宮内さんがいいました。

 「国はもっと積極的な支援策をとるべきです」

 ガソリンを使用する船外機を取り付けた小型船についても、「船は道路に関係ないのですから、道路特定財源にするガソリン税は免除にすべきだと提案しています」とのべました。

 「それだったら分かりやすいし、納得できる」。腕を組んで黙って聞いていた男性が初めて口を開きました。

 「おれは七十歳になるが、ずっと保守だった。しかし、今なんでも増税と負担増ばかりで、国会議員は本当に将来のことを考えているのか、腹が立つ。あんたたちに頑張ってもらいたい」

北国の生活 政府に伝え

■口ぐちに

 熱い話し合いが続くうちに日が傾いた江差港は、いつもなら道南の名物イカ釣り漁船のいさり火で日中のようにまばゆいのに光もまばらです。

 懇談は、福田内閣の緊急対策におよびました。「省エネ型漁業」と称してイカ寄せのライトを発光ダイオードに切りかえろ、船のスピードを抑えろ、などというのがその内容です。

 漁師たちは「発光ダイオードのライトを買うのに、またお金がかかるのでは意味がない」「新鮮なイカは早く港に持って帰りたいのに、ゆっくりなんてできない」と口ぐちに不満をもらします。

 「私たちは、政府が備蓄している原油を放出して値段を下げることや、史上空前の利益をあげている石油元売り大企業に大もうけを還元するようしっかり迫っています」

 宮内さんは一人ひとりの手を握りしめ、「北海道から国会に行き、みなさんの声を必ず届けます」と力を込めました。

■福祉灯油

 江差町役場では、当初懇談を予定していた副町長だけでなく、濱谷一治町長も議会前日の慌ただしいなか、時間をとって待っていました。

 「いま多くの自治体が福祉灯油を実施し、真剣に検討しています。江差町がその先頭に立てば、ほかの自治体も励まされます」と宮内さん。

 濱谷町長は「住民がなんとか冬を越せるようにしたいと思います。共産党の小野寺(真町議)さんも要請していますし、福祉灯油の補正予算を議会に提案する予定です」と答えました。

 各地で活動する党議員と宮内さんたちの要請や宣伝が自治体を動かし、現在、札幌市以外の百七十九市町村が福祉灯油を実施・検討しています。

 「国の補助がどれだけどのようにあるかが気がかりです」と濱谷町長。道路の簡単な補修は、町職員が手作業でやるほど切り詰めています。町独自予算だけでは、厳しいのが地方の実態です。

 宮内さんは「政府は、ストーブをたかなければ生きていけない北国の生活を軽く見ています。私は上京して、福祉灯油の補助を求めてきました。これからも要請を続けます」と応えました。

 宮内さんは昨年十二月二十六日、政府に緊急申し入れをしました。前日の二十五日に政府が決めた原油高騰対策が現場で使いやすくなるようにと各省に要請しました。

 福祉灯油補助の上限が一世帯一万円と一部商業紙が報道した問題では、「上限は設けていない」との回答を引き出し、市町村の判断で福祉灯油の範囲を拡大できることを確約させました。

 宮内さんは、元日から各地の街頭で、集会で精力的に訴えています。

 「いま北海道には、国民の暮らしを守る衆院議席がありません。自民、公明与党は国民多数の声を無視して新テロ特措法を強行しましたが、インド洋で米軍に給油した四十九万キロリットルは、北海道の全世帯にドラム缶を一本ずつ配れる量です。自衛隊の再派兵を許さず、税金の使い方を国民本位に切り替えれば、暮らしも平和も守れます」


日本共産党の比例代表予定候補

宮 内  聡 44新
党国会議員団北海道事務所長
岡  ちはる 44新
党道医療・福祉対策委員長
おぎう 和敏 58新
党道北政策委員長
さとう 昭子 64新
党北海道パート労働相談室長
渡辺 ゆかり 59新
党道東政策委員長


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