2008年1月11日(金)「しんぶん赤旗」

新テロ特措法案・民主対案への

井上議員の反対討論

参院外防委


 日本共産党の井上哲士議員が十日、参院外交防衛委員会での新テロ特措法案と民主党の対案の採決に際しておこなった反対討論は以下の通りです。


 新テロ特措法案は、海上自衛隊をインド洋に派遣し、アメリカの報復戦争支援を再開するものであり、断じて許されません。

 政府は、自衛隊による補給は「海上阻止活動」に限定すると言ってきましたが、これまでの審議で、アフガニスタンやイラクへの空爆を含む、あらゆる米軍の軍事活動をこれまで通り支援することになるのは明らかであります。憲法違反の本法案は、きっぱり否決し廃案にすべきであります。

 戦争でテロをなくせないことは、いまや明らかであります。いま日本がなすべきは、和平のための外交努力であります。

 アフガニスタンでは、カルザイ大統領自身が、空爆に反対し、タリバンを含む武装勢力との交渉による「平和と和解のプロセス」に踏み出しています。

 いまだにアメリカが軍事力による打開に固執している中で、軍隊を派遣してきたアメリカの同盟国でも、重要な変化が起こっています。イギリスのブラウン首相は、「力でねじ伏せる手法は限界」だとして、軍事中心の手法から和解を促進させる戦略に重点を移そうとしています。オーストラリア国防相も、「大幅な方向転換」の必要性を強調しています。

 こうしたもとで、多くの世論調査で、自衛隊派遣に反対が賛成を上回っています。総理は「国民の理解をえて」と言ってきましたが、審議をすればするほど、反対の声が高まっているのが実態であります。

 本法案は、アフガニスタンの現実、国際社会の変化、国民多数の声に真っ向から反するものであり、どこからみても道理はありません。アメリカいいなりで、軍事支援に固執することはやめ、きっぱり廃案にすることを強く主張するものです。

 また民主党案は、「和平支援」を言いながら、武器使用を拡大してアフガニスタン本土に陸上自衛隊を派遣するものであり、そのうえ海外派兵恒久法の早期整備を明記しています。憲法違反は明白であり、反対であります。

 最後に、いま国会がなすべきことは、日米軍事利権の徹底解明であります。兵器調達、「米軍再編」、ミサイル防衛など、守屋前防衛事務次官のもとですすめられてきた防衛政策の根幹が腐敗まみれなのであります。この解明ぬきに、海外派兵をすすめるなど、もってのほかであります。


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