2008年1月5日(土)「しんぶん赤旗」

主張

命と暮らし

政治を動かす社会的な連帯を


 国民の声と運動が自民・公明の政治を突き動かし、情勢に新しい変化を引き起こしています。

 長期にわたる「構造改革」路線のもとで国民の暮らしがたえがたいものになるとともに、自公政治の側でもこのままでは国民の支持を失う矛盾と破たんが広がっています。新しい年も、情勢の新たな特徴をとらえた国民のたたかいを発展させ、社会的な連帯を広げながら、政治を変える運動につなげていくことが求められます。

矛盾を広げる自公政権

 昨年末、薬害C型肝炎問題で、自公の与党が被害者救済法案の骨子を示しました。年明けには法案が提出される予定で、被害者の「全員一律救済」の方向で大きく動いています。

 血液製剤の被害者らが国と製薬会社を相手取り、東京、大阪、名古屋など五地裁に集団訴訟を起こしてから六年。原告団や被害者らの「全員一律救済を」との命をかけたたたかいと世論が、ここまで政治を動かしました。その背景になったのは、被害者の切実な願いと、「一律救済」を認めない政府への国民の怒りです。福田首相が政治決断をしたのは、内閣支持率が急落するなかででした。

 小泉内閣以来、自公政権がすすめてきた異常なアメリカ追随と大企業中心主義の「構造改革」路線は、国民の暮らしを破壊し、深刻なゆきづまりをもたらしています。多くの国民は、生存権まで脅かされる貧困と格差に直面しています。「いまの政治では生きていけない」「人間として当たり前の生活がしたい」と願う痛切な声は、政権与党の支持基盤を揺るがすまでに発展しています。

 後期高齢者医療制度は四月実施前に手直しを余儀なくさせ、障害者自立支援法は負担軽減措置を継続させました。母子家庭への児童扶養手当の削減見直し、生活保護基準引き下げ見送りも国民の運動の成果です。

 国会では、インド洋での自衛隊の給油活動を中断に追い込み、被災者生活再建支援法などの改正も実現しました。

 労働分野では、違法な派遣事業の規制や最低賃金の二ケタアップなどを実現しました。トヨタ系部品会社の光洋シーリングテクノ(徳島県)で労働組合を結成し、偽装請負を告発した契約社員十四人が正社員になることができました。

 国民の運動のよりどころとなっているのが、「構造改革」が敵視する「健康で文化的な最低限度の生活」の保障を定めた憲法(二五条)です。教育権(二六条)、勤労権(二七条)とともにナショナルミニマム(国民生活の最低保障)として、生活保障を求めてたたかう指針となっています。

もう一回り運動大きく

 社会的な連帯で悪政に反撃する国民のたたかいは各分野で前進しています。自公政権が政策の取り繕いや手直しに踏み切らざるを得なくなったのも、国民の世論と運動に追い詰められたものです。同時に福田政権に代わっても「構造改革」路線そのものは撤回せず、自公政権は矛盾を根本から解決する姿勢を持ち合わせていないことを示しています。

 新年も冒頭から自衛隊派兵再開や福祉予算削減、消費税増税に反対するたたかい、各分野での国民の暮らしを守るたたかいが山積しています。悪政に反対し、現状の打開を求める人たちが手を携え、もう一回り大きな運動をつくりだし、政治を動かしていきましょう。日本共産党は直面する切実な願いの実現に力を合わせるとともに、政治の根本的な改革をめざして全力をあげます。


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