2007年12月25日(火)「しんぶん赤旗」

原告、喜びと戸惑い

肝炎救済立法方針

全国から急きょ上京


 「感染被害を発生させた責任が盛り込まれなければ、薬害根絶に結びつかない」。全国各地の薬害肝炎訴訟の原告たちは二十四日、急きょ東京都内に集まり、福田康夫首相が立法措置で全員一律救済の方針を打ち出したことにたいする態度を記者会見して明らかにしました。

 記者会見した全国原告団代表の山口美智子さん(51)は「一喜一憂させられてきました。いくらか明るくなりました」と、救済を線引きした大阪高裁の和解骨子案の枠内での解決に固守する国の姿勢が一転したことに戸惑いを隠しきれません。「原告団だけの問題ではないので真剣に論議しました」といいます。

 二時間に及ぶ議論の結果出した結論は、これから作られる「薬害肝炎救済法」が命の線引きにならないように「薬害を発生させた国の責任と反省にたった一律救済」を明記させる「意見」の集約をしました。

 大阪訴訟原告団の桑田智子さん(47)は、「責任に基づく一律救済なのか福田首相に直接会って」要望したいと、立法の目的が全面解決につながる内容にすることの大切さを強調します。同原告団代表の武田せい子さん(55)も、「全員救済は私たちの悲願です。福田首相が全員救済を言ったことはうれしく思います。ウイルス性肝炎は進行性の病気です。一刻も早い救済をしてほしい」と切々と訴えました。

 名古屋訴訟原告の金田和子さん(54)は、「命の重さと尊さは切り捨てることはできません。全員一律救済の道が開かれるならば気持ちが落ち着きます。一日も早い(法律の)成立と、二度と薬害で苦しむことのない社会になってほしい」と訴えました。



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