2007年12月13日(木)「しんぶん赤旗」

革命論の研究講座終わる

「マルクスの精神で現代の諸問題に挑戦しよう」

不破所長よびかけに満場の拍手


 日本共産党社会科学研究所の不破哲三所長を講師に、十月十六日から五回にわたって党本部大会議場で開かれていた「第二回科学的社会主義研究講座」が、十一日、最終講義を終えて閉講しました。

 今回の研究講座の主題は「マルクス、エンゲルスの革命論」。マルクス、エンゲルスにまとまった著作はありませんが、科学的社会主義の核心的な内容をなすものです。講座は、不破所長が編集したマルクス、エンゲルスの著作や手紙からの抜粋を毎回のテキストに、第一講「『共産党宣言』と一八四八年革命」、第二講「四八年革命後のヨーロッパ」、第三講「インターナショナル」、第四講「多数者革命」、第五講「革命の世界的展望と過渡期論」と講義を重ねました。二人が革命的民主主義者として活動を開始した一八四〇年代前半からエンゲルスが死去した九〇年代まで、半世紀を超える革命理論の探究と発展のあとを、克明に追跡しました。テキストに使った資料集は、合わせて九十四ページもの大冊になりました。

 最終講義で不破所長は、マルクス、エンゲルスが革命勝利後の世界をどう展望していたかを主題に、マルクスの過渡期論を新しい角度から詳細に解明しました。さらに受講者から出された質問に回答しましたが、これも講義全体の補足となるものでした。

 講義の最後は、当面の理論的課題への提起です。不破所長は、支配領域の縮小に加え、自身の利潤第一主義が生み出した地球環境の危機に直面している資本主義社会の現状、社会主義をめざす諸国での社会主義的発展の新しい道の探究、アジア・アフリカ・ラテンアメリカ諸国での非資本主義的発展への胎動など、現在の世界が当面している諸問題を見渡しながら、次のことを訴え、それには満場の拍手が起こりました。

 「世界のどこを見ても、出来合いの答えのない問題に直面しているのが現在の時代。それらの諸問題に答えを出す力と可能性を持っているのが科学的社会主義だ。身につけてほしいのは、個々の結論的な命題ではない。マルクス、エンゲルスが、自分たちがつくりあげた科学的社会主義の土台に立って、絶えず新しい問題に挑戦し、科学的な回答を追求したように、科学的社会主義の立場で新しい問題に挑戦する、その態度をこそ受け継ぎ、身につけてもらいたい」

 研究講座の参加者は、党本部と首都圏四都県の常任活動家と青年党員で、欠席者もテープでの補講を受け、毎回、五百人以上が参加する盛会となりました。

 参加者からの感想はいま集約中ですが、「経済学や哲学の講座では『大先生』だったマルクス、エンゲルスが、革命運動の先輩として、ずっと身近に感じられるようになった」こと、「二人の語ることの一つひとつが、自分たちの現在の活動への直接の助言として受けとめられる」ことは、多くの受講者が語る共通の感想となっています。

 なお、不破所長は、今回の研究講座の内容を仕上げたうえで、来年後半には『前衛』での連載を開始する予定だということです。


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