2007年12月8日(土)「しんぶん赤旗」

グアム米軍住宅建設費

日本がつくれば1・7倍


 日米両国の在日米軍再編合意に盛り込まれている在沖縄米海兵隊のグアム移転計画で、日本側が全額負担する米軍家族住宅の建設費が極めて高額であることから、軍事利権をめぐる疑惑が強まっています。

 グアム移転をめぐる日米の経費分担については昨年四月、額賀福志郎防衛庁長官とラムズフェルド米国防長官(いずれも当時)との間で合意。移転に必要とされるグアムの米軍家族住宅約三千五百戸の建設費二十五・五億ドル(約二千八百億円、一ドル=一一〇円で計算)を日本側が全額負担することになりました。一戸あたりの平均単価は、約七十三万ドル(約八千万円)にものぼります。

 一方、グアムでは現在、この移転計画とは別に、米側による米軍家族住宅(二百四戸)の建設計画が進んでいます。これの一戸あたりの平均単価について、石破茂防衛相は四日の参院外交防衛委員会で、約四十四万ドル(約四千八百万円)だと米側が説明していると答弁しました。グアム移転のために日本側の負担で建設する家族住宅の方が一戸あたりおよそ一・七倍、約二十九万ドル(約三千二百万円)も高いことが明らかになりました。

 石破氏はまた、建設費総額二十五・五億ドルから「民活による効率化」が見込まれる四・二億ドルを除けば二十一・三億ドルであり、一戸あたりの平均単価は約六十一万ドル(約六千七百万円)になるとも説明しました。それでも米側が建設する住宅との差額は約十七万ドル(約千九百万円)です。

 石破氏も「そんな金(六十一万ドル)があれば大豪邸が建つはずだ」「全部精査して、なぜこの価格になるのかについての情報公開をすべて行った上で、予算を審議いただく国会に納得がいただけるものでなければ、国民の税金を使うつもりはない」と答弁せざるをえませんでした。

 在沖縄米海兵隊のグアム移転計画には日米の軍需企業多数が群がっています。移転計画に伴う米軍家族住宅の建設費がなぜ異常に膨れ上がっているのか、徹底解明が求められます。



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