2007年12月2日(日)「しんぶん赤旗」

主張

道路特定財源

浪費の温床やめて一般財源に


 政府・与党が、ガソリン税や自動車重量税、軽油引取税などの巨額の税収をもっぱら道路建設につぎ込む道路特定財源のしくみを、将来まで温存する動きを強めています。

 道路特定財源は、国道と都道府県道の舗装率が5%しかなかった半世紀前に、「整備が急務だ」という理由で「臨時措置法」としてスタートした制度です。

 本当に必要な道路は一般財源で建設できます。舗装率が97%を超えた現在も、道路特定財源を続ける理由はまったくありません。

小泉改革のごまかし

 政府が財政危機を強調すればするほど、税金の無駄遣いに対する国民の批判も強まっています。巨額の税収をあてにして無駄な道路をつくり続け、浪費の温床となってきた道路特定財源をやめ、使い道を「特定」しない「一般財源」として、社会保障などの予算にも回せるようにすることは国民的な重要課題です。

 こうした世論に押されて、小泉純一郎元首相も安倍晋三前首相も、道路特定財源の一般財源化を国会で明言し、公約しています。

 ところが同時に、両政権は大きな抜け道も用意していました。

 小泉元首相は、無駄な高速道路をつくり続けるとともに政官業の癒着を温存する「道路公団民営化」を強行し、特定財源見直しの「具体策」を安倍前内閣に丸投げしました。

 安倍前内閣が閣議で決めた「具体策」は、「一般財源化を前提とした道路特定財源全体の見直し」を掲げながら法改正を先送りしました。一般財源化の「具体策」としては、わずかに「道路歳出を上回る税収は一般財源とする」という一文だけが入っています。これでは、無駄な道路建設をやめるどころか、特定財源の税収を超えるまで道路建設費を増やせば、一般財源には一円も回らないことになります。一般財源化の実現とは正反対の方針です。

 実際に国土交通省が発表した「道路の中期計画」素案によると、今後十年間の道路建設費は六十八兆円、一年当たり六・八兆円に上ります。道路特定財源は国・地方合わせて六兆円程度で、今後十年間はすべて道路建設に使い切る計算になります。

 公明党の冬柴鉄三国交相は十一月二十七日の記者会見で、六十八兆円の「中期計画」を見直すつもりはないとのべ、それによって「一般財源化」がゼロとなっても「閣議決定のとおりである」と語りました。

 「道路の中期計画」を議論した経済財政諮問会議で、福田康夫首相は「閣議決定のとおり」という主張を否定できず、「事業量の精査」を求めるにとどまっています。

生活保護は削るのに

 福田内閣は過大な赤字の試算を示して財政への危機感をあおり、社会保障の削減と消費税増税が避けられないというキャンペーンを強めています。それにもかかわらず、道路特定財源の一般財源化には、政府税制調査会も財政制度等審議会も、おざなりの言及しかしていません。

 貧困を余儀なくされた国民の最後のよりどころである生活保護費さえ引き下げをねらう一方で、道路特定財源の巨大な既得権益を死守する姿勢は完全に逆立ちしています。

 小泉・安倍「構造改革」の大きなごまかしが、また一つはっきりしました。しかし、国民の世論が政府に「一般財源化」を公約させた事実は消せません。当初の公約を守り、無駄な道路建設の温床となっている道路特定財源を一般財源化するよう求めます。


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