2007年11月29日(木)「しんぶん赤旗」

中東和平 交渉再開へ

国際会議 「行程表」復帰を確認


 【アナポリス(メリーランド州)=鎌塚由美】イスラエルとパレスチナの和平交渉の「踏み台」とブッシュ政権が位置づけるアナポリス会議が二十七日、メリーランド州アナポリスで開かれ、パレスチナ国家の樹立に向けたイスラエルとパレスチナの交渉再開を確認しました。三者による共同声明を発表したブッシュ米大統領は、二〇〇八年末までの「平和条約」締結を目指すと述べました。ライス米国務長官は同日、和平交渉を二十八日にホワイトハウスで正式に開始すると述べました。

 ブッシュ大統領とイスラエルのオルメルト首相、パレスチナ自治政府のアッバス議長は同日、会議開催前に三者会談を行い共同声明に合意。声明によれば、当事者が各交渉責任者で構成する「運営委員会」を立ち上げ、〇三年に米国、ロシア、欧州連合(EU)、国連の四者(カルテット)で合意したロードマップ(行程表)を実行に移します。第一回「運営委員会」は十二月十二日に開催します。

 声明は、オルメルト首相とアッバス議長が隔週の会談を行い「運営委員会」の交渉を補完するとし、米国が、ロードマップの進ちょく状況を「監視」し、その状況次第で「平和条約」の締結の時期を「判断」するとしました。

 アナポリス会議には、約五十の国と国際機関の代表が参加。閉会にあたりライス国務長官は、サウジアラビア、シリア、レバノンの出席を評価。アラブ諸国の中東包括和平構想(アラブ和平案)に言及したサウジの発言を「大変重要だ」と述べ、シリアとレバノンの発言を、イスラエルとアラブ諸国の「包括的和平へ導く協議のステップ」だと評価しました。

 アッバス氏は、東エルサレムや難民の帰還問題などに言及し、「最終的地位に関するすべての問題の、包括的な奥行きのある交渉の開始」が必要だと主張。「われわれはテロの脅威の停止、扇動と憎しみの停止を要求する」と述べたオルメルト首相は、「これらの願いを実現するために、痛みを伴うが妥協の覚悟がある」と語りました。


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